2017年03月29日(水)

視力を失わない生き方 



著者:深作 秀春
発売日: 2016/12/15

評価〔A-〕 きちんと調べてから診てもらいましょう。
キーワード:眼科、手術、白内障、緑内障、

大切なのは、寿命は90歳であっても、眼の寿命はもっと短くて、せいぜい70歳ぐらいであることをまず認識することです。(第2部(2)より抜粋)


日本の医療は世界の中でも最先端というイメージがありますが、本書の著者によると、眼科の手術に関しては低レベルなのだそうです。外国で最先端の技術を学び、アメリカの学会で何度も賞を受賞した著者が、視力を保つために知っておくべきことを解説しています。

大学は研修病院に過ぎない、手術の腕がないために失明してしまうことが多いなど、医療関係者以外ではなかなか知りえない有益な情報が記載されています。少し前に話題になったレーシック、加齢による白内障や緑内障、糖尿病と眼の関連性と、専門的でやや分かりにくい点もありますが丁寧に説明されていて、患者のことを考えていることがよく分かります。驚いたのは、花粉症で目をこすっていると目に損傷が蓄積し、網膜剥離の危険があることです。本でよく紹介されている眼の運動も、ほとんど無意味だそうですよ。

眼科に救急はなく、腕のよい眼科外科医にかかることが大切だそうです。眼の手術は医者によって大きく差があるので、慎重に選ぶようにと主張しています。探す時も著者が言うように、誰かの意思が介入している場合もあと思うので、複数の媒体・サイトから探すのがおすすめです。

著者は最先端の技術を学び腕も確かなようですが、アメリカで技術を学んだためか、自己主張が激しいです。自信と実績があるので、本書の中で何度も自分の病院をすすめています。しかし、超上級者と連呼されると宣伝のための本のようで、あまり良い気分ではありません。「社会調査のウソ」のように、日本の眼科医療全体の発展を願うような文章であれば、さらに良かったのですが。それと、著者が大学病院にいた頃は、眼科医療は確かに遅れていたのでしょうが、インターネットがある現在でも大幅に遅れているのでしょうか。どうなんだろう。

今後、眼の病気にかかってしまったら、本書のことを思い出して適切に行動するよう心がけます。今のうちに読んでよかったと思います。



[ 2017/03/29 22:06 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

2017年03月29日(水)

死人の声をきくがよい 9 



著者:ひよどり祥子
発売日: 2017/2/20

評価〔B+〕 ゴーストはやっぱり個性的で面白いです。
キーワード:ホラー、霊感、オカルト、

『岸田さま、お久しぶりです』(本文より抜粋)


相変わらずの怪奇事件が目白押しです。質は下がっていないのですが、9巻にもなると多かれ少なかれ慣れてしまい、読み始めた当初のように楽しめないのが残念です。

しかし、ゴーストが登場する連作は面白かったです。ゴーストの個性の強さも面白さの一つですが、裏表紙に完結!?と書かれていてどうなるか分からなかったのも、いつもと違って緊張感がありました。クライマックスで岸田が目を覚ました時に言った、ゴーストの台詞が意外で、でもゴーストらしくて良かったです。

今後、話を進めて完結に向かうかどうかは分かりませんが、次も今回のゴースト編くらい面白いと良いなあ。



[ 2017/03/29 22:00 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2017年03月22日(水)

タイムマシン (光文社古典新訳文庫) 



著者:ウェルズ (著), 池 央耿 (翻訳)
発売日: 2012/4/12

評価〔B〕 意外と古さは感じませんでした。
キーワード:SF、イギリス文学、

「大方は絵空事に聞こえるだろう。それはそれで、やむを得まい。が、どう取られようと、私の話は何から何まで本当だ」(本文より抜粋)


とある会合で発明したタイムマシンを披露したタイム・トラヴェラーは、翌週の会合で痛々しい格好で現れます。そして、自分が体験してきた時間旅行について主人公たちに語り始めます。物語は大部分がタイム・トラヴェラーの語りで進みます。回想なので臨場感に欠けますが、物事を整理して語られているので読みにくいということはありません。

昔の人の予想する未来だから、現代と比較して未来像が当たったり外れてたりするのだろうなと予想していましたけど、それは大きく外れました。タイム・トラヴェラーが行ったところと現代の違いは、日本と外国ぐらいだと思っていたら、まるで別の星ではないかと思うくらいかけ離れていました。ある程度は当時のイギリス社会を反映しているのでしょうが、それを抜きにしても興味深いです。映像化したら衝撃的で面白いかもと考えながら読んでいたら、解説で既に映画化されていることを知りました。やっぱり他の人もそう思うよね。

本編の後に、著者の補遺、評論家の解説、著者の短い伝記、日本人研究家の解説、そして訳者あとがきが収録されいます。本書の3割を占めていて、本編をより深く理解したい人には良い読み物です。私は本編にだけ興味があったので、これらはさらっと読んでしまいましたけど。



[ 2017/03/22 21:45 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2017年03月22日(水)

Q.E.D.証明終了 43 



著者:加藤 元浩
発売日: 2012/10/17

評価〔B+〕 騙しあいは面白いです。
キーワード:推理、謎解き

「取引を成功させたきゃ相手のことを徹底的に調べるんだ・・・セールスの基本さ」(本文より抜粋)


ある殺人事件のアリバイ崩しを考える「検証」と、投資をめぐって有能セールスマンと対決する「ジンジャーのセールス」が収録されています。

「検証」は、推理物らしく殺人事件の謎を解くのですが、真相があっさりし過ぎてあまり面白くなかったです。燈馬が示した証拠も、犯人を断定するには少々弱いような気がしますし。

一方、「ジンジャーのセールス」は騙しあい、コンゲームのようで面白かったです。誰が誰を騙せるのか。敵に回ってみると分かる燈馬の恐ろしさ。(笑) 私の予想は外れましたが、結末はこの漫画らしくて好きです。



[ 2017/03/22 21:40 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2017年03月14日(火)

新装版 マジックミラー 



著者:有栖川 有栖
発売日: 2008/4/15

評価〔B+〕 わかりやすく面白いトリックでした。
キーワード:アリバイ、推理、双子、文庫化

「みんなにある。いわゆるアリバイが」(第三章より抜粋)


密室とアリバイは推理物のツートップ、のような文章をどこかで読んだことがあります。その二大ジャンルのうちのひとつ、アリバイを主題とした推理小説です。

冒頭の殺人事件を追ううちに電車の時刻表が出てきた時は、正直好みじゃないからつまらないなあと思っていたのですが、ここで投げ出さなくて良かったです。なぜなら、第二の事件の真相が分かりやすく面白かったからです。ミステリマニアの方々からしたら、もしかしたら見慣れたトリックなのかもしれませんけど、複雑でなく意外性があって楽しめました。

第七章で推理作家が話すアリバイ講義も興味深かったです。事件をとくヒントにもなりますが、それを抜きにしても様々なタイプのアリバイ作りが書かれていて面白いです。もう少し語って欲しかったです。あとがきに書かれたアリバイの作例に興味が出てきました。後で読んでみようかな。



[ 2017/03/14 21:44 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2017年03月14日(火)

「自分はこんなもんじゃない」の心理 



著者:榎本 博明
発売日: 2013/5/17

評価〔C+〕 新しい知識が欲しいところです。
キーワード:若者、心理学、人生観、

「自分はこんなもんじゃない」と思うだけではダメだ。それをエネルギー源にして、現実の壁を乗り越えようとする行動につなげていくことが大切なのだ。(本文より抜粋)


若者がよく口にする台詞「自分はこんなもんじゃない」に対して、心理学者である著者が分析し助言する本ですが、現実でこの台詞をあまり聞いたことがありません。実際はどうなんでしょうか?

それはそれとして、前向きな向上心と努力が人生をより良いものにする、というのが主題です。現状をただ否定するだけの「こんなもんじゃない」ではなく、理想に近づくために能力を伸ばす原動力となる「こんなもんじゃない」が好ましいという訳です。社会や人生をこんなものだと簡単に見切りをつけてしまわず、夢や自己表現に向かって行動することが大切と説くのは賛成です。

しかし、夢の追い方や自分らしさの分析では目新しさはなく、独特の手段や考え方を得られなかったのが残念でした。偶然のチャンスを生み出すのは、好奇心や柔軟性、楽観性だと再認識できたのは良かったです。

文章に説得力をつけるために、歌を多数引用しています。歌に詳しくないので、いくつも引用するのは返って読みづらかったです。1章につき1曲くらいで良いのではと思ってしまいました。





[ 2017/03/14 21:40 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2017年03月02日(木)

ダーウィンズゲーム 10 


著者:FLIPFLOPs
発売日: 2016/10/7

評価〔B+〕 イベントの裏側も面白くなってきました。
キーワード:デスゲーム、現代、超能力、アクション、

「なんだか随分面白い話をしてらっしゃいますね」(本文より抜粋)


島では仲間と敵がはっきりし始めましたが、参加者たちはまだまだ手探りで生き延びる方法を模索します。

慣れない状況でのサバイバルが続くのかと思ったら、イベントに直接参加していない人たちも動き出し、盛り上がり始めました。なんか唐突な感じもしましたけど、あれくらいでないと本当に単なる応援になってしまうし、面白いから良いかな。

イベント外の出来事があったため、あまり話は進まなかったのにもかかわらず、分からないことが増えていきます。最後の会話によると、今までとは本質的に違うイベントみたいだけど・・・・・・これから明らかになっていくのでしょう。



[ 2017/03/02 21:48 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)