2016年09月10日(土)

太陽の簒奪者 



著者:野尻 抱介
発売日: 2005/3/24

評価〔A-〕 水星の異変は何を意味するのか。
キーワード:ハードSF、ファーストコンタクト、水星、

亜紀は魅了されていた。水星で始まったこと、リングのこと、その背後にある文明のすべてを知りたい。(本文より抜粋)


人類は未だ他の知的生命体と接触を果たしていませんが、出会うとしたらどのような相手、どのような形になるのでしょうか。宇宙人との初めての邂逅を描いた、いわゆるファーストコンタクトもので二部構成となっています。第34回星雲賞受賞、ベストSF2002国内編第一位。

水星に突如起きた異変が観測されるところから始まります。第一部はテンポよく進み、専門的な解説も入りますが、物語の進行の邪魔になることはありません。こうしたハードSFは読みにくい印象がありますが、著者が現代の日本人のせいか、読みやすかったです。第二部は近未来に起きる大事件が、地球全体に波乱を呼びます。前半に比べると話の進みがやや遅いですが、細かい政治的な場面・科学的な説明を入れることで、現実味と説得力が増しているのだと思います。

主人公の白石亜紀をはじめ、登場人物たちは宇宙人に対して様々な異なるイメージを持っています。実際にこのような事態になったら、恐怖心でいっぱいになるのか知的好奇心が勝つのか、それとも違う感情になるのか。そして、人類はどのような態度を取るのか、いろいろ想像してしまいます。

一部の結末や二部のUNSSファランクスが発進してからのシーンは引き込まれました。まるで面白い映画を見ているようにワクワクしました。何が起きているのか想像しやすい描写が良かったです。しかし、謎が解けてしまうと高揚がおさまってしまうためか、結末が少々物足りないような気がしました。もう少し派手な結末のほうが良かった・・・・・・と思うのは私のわがままなのかもしれません。



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[ 2016/09/10 19:02 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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