2016年08月14日(日)

人間は脳で食べている 



著者:伏木 亨
発売日: 2005/12

評価〔B-〕 「美味しい」を分解して考察しています。
キーワード:食事、食生活、文化、脳、情報、おいしさ、

なぜ人間は情報のおいしさに頼ろうとするのか。口や舌の感覚よりも情報が気になるのはなぜか。ひとことで言うと、食の安全対策である。(本文より抜粋)


美味しいものが食べたいのは、いつの時代もどの国でも共通の欲求だと思います。中には、食事は本来必要なエネルギーを得るために取るものなのに、美味しい食べ物の虜となり、食べること自体が目的となってしまった人たち――美食家、グルメな人もいます。しかし、そもそも美味しいとは一体どういうことでしょうか。この根本的ですが複雑な疑問を、本書は分かりやすく解説しています。

栄養素はもちろん、文化・体内の生理メカニズム・情報など、内容は多岐にわたります。その中で最も現代的で重要なものは情報で、安全や権威が関与していると説いていて興味深かったです。それと、「匂いの判断は味よりもかなり正確」なのは、意外でした。確かに食べる前に分かったほうが安全ですからね。また、現代人の食生活についても触れていて、どちらかというとそちらのほうが豆知識っぽくて面白かったです。食の好き嫌いの説明は説得力がありました。

ところどころ読者を代表するかのような発言を挟み込んで、会話のようなやりとりで説明しているのが特徴です。慣れるまで違和感がありましたが、慣れてしまえばこれはこれで良いかなと思いました。個人的には、対話方式で書かれていたほうが、より分かりやすいので好みです。

食事や食生活に関してぼんやり思っていたことが、やはりそうだったと再確認できました。あっと驚くようなことはありませんでしたが、複合的な感覚・現象を調べる難しさも分かりました。簡単そうにみえる題材ほど研究は難しいようです。



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[ 2016/08/14 21:17 ] 実用 | TB(0) | CM(0)

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