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2009年07月26日(日)

診療室にきた赤ずきん 

診療室にきた赤ずきん―物語療法の世界 (新潮文庫)診療室にきた赤ずきん―物語療法の世界 (新潮文庫)
著者:大平 健
出版:新潮社
発行:2004/08

評価〔B〕 例え話で見えてくるもの
キーワード:心理学、童話、昔話

本書では、どういう仕組みでお話が心の薬となるかをお話しします。(まえがきより抜粋)


書店で文庫本が大量に置かれたコーナーを見つけました。どうやら名作100選のような企画でした。毎年夏だったと思うけれど、いくつかの出版社で行われています。その中で、新潮文庫の100冊の小冊子を眺めていたら、この本の紹介に興味をひかれ読んでみることにしました。

精神科では、医者が患者の話を訊いて必要な薬を出すのですが、著者はその診察の際に例え話として皆がよく知っている童話や昔話を用います。表題にある赤ずきんを始め、ももたろう、ジャックとマメの木などです。それらが不思議と患者の状況や心境を表していることが多い、と述べています。童話は昔から廃れることなく語り継がれたもの。不条理や理不尽な展開もありますが、長い年月の中に埋もれることなく残る何かがあるのではないでしょうか。

本で挙げている相談例は、著者が患者に掲載許可を貰った実話なので、現実味があります。生活に支障をきたすほど悩んでいる人、家族に心配されて精神科を訪れる人、精神的健康のために悩みはなさそうだけど診察に来る人……。自分には当てはまらなくとも、周囲の人には当てはまる人が1人ぐらいいそうですね。価値観の違いを例えた「幸福なハンス」や「ぐるんぱのようちえん」は、なるほどと感心してしまいました。また、今更粗筋を聞くまでもないと思っていた話でも、忘れていたり記憶違いだったこともあり、そうした再発見も新鮮です。

物語療法という治療法があるのを知ることができ、面白いと思いました。著者が自己分析として自分にあう物語を探してみたように、僕も自分の人生や性格を表している童話を探すのも、意義があるし楽しそうです。


(追記の可能性あり)

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[ 2009/07/26 21:52 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

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