2016年02月10日(水)

神を見た犬 (光文社古典新訳文庫) 



著者:ディーノ ブッツァーティ (著), 関口 英子 (翻訳)
発売日: 2007/4/12

評価〔B+〕 宗教色が強いものもありますが面白いです。
キーワード:イタリア文学、短編集、

入院患者はカースト制度のように、画然とした七つのグレードに分けられていた。(「七階」より抜粋)


幻想文学の鬼才と称されたイタリアのブッツァーティの短編集です。

著者の文章力か翻訳者の能力か分かりませんが、翻訳本に見られる文章の硬さ、違和感がなく、外国文学ではありますが読みやすかったです。一つひとつは短いですが、読み応えがありました。印象に残ったは、皮肉の利いた「秘密兵器」、人の心理を上手く描いた「1980年の教訓」「この世の終わり」、著者の考えが透けて見える「病院と言いうところ」「マジシャン」などです。「七階」は一つのルールがある病院が舞台で、こういう病院も主人公も実在しそうだ、と感心しながら読みました。戯曲化、映画化されるだけあります。なかなか怖いです。

様々な種類の短編がありますが、全体に共通する雰囲気のようなものがあります。皮肉や不安という言葉が近いかもしれませんが、もう少ししっくりくる言葉がありそうです。人生の上手くいかないところ、不条理さとでも言うのでしょうか。幻想文学と評されていますが、本書を読む限りでは、かなり現実的で普遍的なことを綴っている、というのが感想です。

もう一つの特徴として、宗教色の強い短編があることです。イタリアなので、キリスト教カトリックです。神や司祭、日本では聞きなれない聖人も登場します。ただ、盲目的な信仰ではなく、あくまで物語の一役として出ている感じなので、宗教が苦手な方でも楽しめるでしょう。


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[ 2016/02/10 21:34 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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