 
| 著者:松田 美佐 (著) 発売日: 2014/4/24
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評価〔B〕 媒介が何かも重要ですキーワード:うわさ、おしゃべり、電話、メール、インターネット、社会学、
人はうわさを聞いたからといって、鵜呑みにするわけではない。もっともらしいと感じなければ、話半分で聞く。ゆえに、多くのうわさは「根拠」と一緒にな語られている。(本文より抜粋)
社交的ではないのであまりうわさと縁がないのですが、それでも耳に入ってくるうわさはあります。噂と言うけれど、口コミとはどう違うのでしょうか。デマ、ゴシップ、都市伝説と似たような単語がありますが、どこが同じでどこが異なるのか。コミュニケーション論・メディア論が専門の著者が、うわさについて考察します。
とらえどころのなさそうなテーマを、どのように説明するのか興味ありましたが、影響力・歴史・効果など様々な面から全体像を解明しようと試みています。中でも、「流布量は重要さと曖昧さの積に比例する」とした論が説得力があって面白かったです。たしかに取るに足らない話題や、白黒はっきりしている問題は、噂には不向きです。逆に、予知できない天災は人々の関心が高く、ネットでもたびたび噂になります。いつどこで大地震が起きる、なんてうわさが良い例ですね。また、うさわが何で伝わっていくのか、その形式によって違いが出てくるのも興味深いです。内容だけで決まらないとは意外でした。
某信用金庫のうわさの伝達例が取り上げられ、分かりやすく全体像が見れたことはとても良かったです。表現は悪いですが、まるでインフルエンザのようです。ところで、この例ってテレビ番組で扱ったことありませんでしたっけ? なんか見覚えがあるような・・・・・・。
メディアの特徴も詳しく説明し、全体的に過不足ない内容だと思います。しかし、核心であるうわさの正体や対処法は、説明が簡素だったように感じました。ややぼんやりした結論、といった印象です。うわさ自体があやふやなもので、かつ研究の余地もまだありそうだからかもしれません。
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