2015年08月13日(木)

話が長くなるお年寄りには理由がある 



著者:増井 幸恵
発売日: 2014/8/18

評価〔B〕 加齢と価値観の関係にせまる。
キーワード:高齢、老年的超越、

九十歳くらいの高齢の方と話していていつも驚くのは、ちょっとしたことに対しても楽しみを感じている方が多いということです。(第1章より抜粋)


テレビで90歳や100歳の人がインタビューを受けているのを見ると、たいてい穏やかで幸せそうです。長寿の秘訣を聞くと、健康とはあまり関係ない趣味のことを話す人が多かったと思います。高齢者には何か共通の心理状態があるのでしょうか? 本書では、主に80歳を超える人々の心理について調査、考察したことを述べています。

思うに題名と副題が逆のような気がします。高齢者の心理学がメインで、その中の一項目として「話が長くなること」にも触れています。

年齢による価値観の変化、老年的超越が興味深いです。健康や社会的役割を重視しない、受動的ではありますが落ち着いた生き方です。昨今良く耳にする生涯現役とは違った価値観です。健康でずっと現役のように自立するのも良いのですが、自立できないことを受け入れて、できることがあると自信と満足感を持つのもまた良いことだと思います。減点社会の日本にはあまり馴染みのない価値観かもしれませんが、まだ何々ができるから幸せと言えるのは新鮮に感じました。

惜しいのは、80歳以上の人が少なかった昔はなかった分野で、調査も研究もまだまだこれからなことです。今後はさらに平均寿命が延びそうなので、こうした分野の学問の発達が望まれます。80歳はまだまだ先の話ですが、こうした考え方ができれば心地よい生活が送れそうです。


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[ 2015/08/13 18:40 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

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