2015年05月29日(金)

人体 失敗の進化論 



著者:遠藤 秀紀
発売日: 2006/6/16

評価〔B〕 具体的な進化の過程が面白いです。
キーワード:進化、脊椎動物、生物、人体、動物園、

実は、このように進化の当初の“狙い”と最終的に出来上がったものの役割が異なることは、身体の歴史としては珍しい出来事ではない。むしろ、進化の常道とすらいえるのである。(本文より抜粋)


胎児は母親のおなかの中で、生物の進化の過程を辿るように成長していくという話を聞いたことがあります。なんでも原始的な魚類のような形からどんどん成長して、時間をかけて人間の姿になっていくとか。人類が突如現れた種ではなく、前の生物の形から進化を経てきたことが分かるエピソードだと感じました。本書では、解剖学の研究者が人間がどのように進化してきたか、他の生物の進化も踏まえて解説していきます。

爬虫類が鳥類に進化しました、のような大雑把な話し方ではなく、この器官はこの骨がこのように変化して作られたと細かく説明しているので分かりやすいです。耳や骨のできる過程は興味深く面白いです。しかし、想像しやすく理解しやすい反面、血や肉、骨など生々しいものが苦手な僕としては、読むのがきつい所もありました。

後半は人間の体がどのようにして出来たかが詳しく述べられています。二足歩行と大きな脳を得るかわりに、どのような不都合が出始めたのか。ある程度知っていたとは言え、色々と短所がありなんとも言えない気分になります。また、人間社会の変化と進化の関連性も触れています。「なぜ月経があるのか」の考察は新鮮でした。

終盤、解剖学者としての姿勢や大学とお金の関係、動物園のあり方について意見を述べていますが、こうした記述が多いと不満を訴える印象が強く残ってしまうのではないでしょうか。純粋に学問に取り組みたい心境は分かりますが、さらりと書いて進化と解剖の面白さを押し出したほうが良いんじゃないのかな。



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[ 2015/05/29 20:50 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

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