2015年05月10日(日)

ウェブはバカと暇人のもの 




評価〔A-〕 ネット漬けの編集者から見た世界とは
キーワード:ネット、ブログ、SNS、炎上、

何のモチベーションがあってそんなことをするのかと一瞬悩んだものの、結論は「暇だからやっている」としか考えられないのである。(本文より抜粋)


はじめて表紙を見た時は、年配の地位のある方がネットは良くないと説く本なのかなと思ったのですが違いました。ネットに精通したニュースサイトの編集者が、情報発信において頭の良い人以外の、いわゆる普通の人や頭の良くない人たちがネットをどのように使っているのかを豊富な実例をもとに説明しています。

ネットで受けるのはB級ネタは結構説得力があります。実際、暇つぶしはそういう面白そうな題名のリンクをクリックしてますからね。凄いニュースでも難解なもの、例えば学術的な発明などはあまり取り上げられていない感じです。ネットは居酒屋で雑談する場と同じというたとえはかなり的確なのではないでしょうか。うわさ話が好きなのも似ています。企業のサイト担当者は、このことを考慮すればうまくいきそうですね。

目を引いたのはクレーマーとネット炎上です。自分に直接害が及んでないのに他人の変わって抗議をする人々を、著者は暇人だと断じています。犯罪行為ならばともかく、価値観の違いでは?と感じることについても大勢でしつこく批判するのは、好ましいとは思えません。相手が企業の権限のない人で、反論するのが難しい立場の人ならなおさらです。飲食店の店員に、些細なことで説教をする人を連想させます。以前、何か炎上しているブログのコメント欄をチラッと見たことがありますが、本人そっちのけで喧嘩していました。意見交換ではなく、叩くために叩いている人がいると思わざるを得ない。

また、世間で言うネットの可能性がいかに幻想であるかが語られています。ブログを書けば文筆業になれる、サイトを開けば会社の知名度が上がり売り上げものびる・・・・・・そんなことは滅多にないと主張しています。最後の章で、ネットは便利だが画期的ではないと述べているのが印象に残りました。

副題にもあるように、著者はネットを諦観していますが、youtubeで活躍するテレビに依存しないネット発の人気者(ユーチューバー)が現れたり、炎上やクレームは対処法をわきまえた有名人が増えてきたように感じます。出版当時よりも、少しずつネットに希望が持てるようになってきているんじゃないのかな。

この題名だとネット利用者はバカか暇人だと誤解されると思います。もう少し題名を考えれば、変な先入観を与えずに読者を増やすことができたのに。鋭い指摘を含んでいるだけに、その点が惜しいですね。


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[ 2015/05/10 11:07 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

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