2015年02月01日(日)

慟哭 (創元推理文庫) 

慟哭 (創元推理文庫)慟哭 (創元推理文庫)
著者:貫井 徳郎
出版社:東京創元社
出版日:1999/03

評価〔C+〕 面白くなくはないけど・・・・・・。
キーワード:警察、新興宗教、誘拐事件、

「ただ、あなたを見れば、誰でもわかることです。あなたが救いを求めて、この教団にいらしたことも。」(P148より抜粋)


誘拐事件と新興宗教の様子を並行して描いた推理小説です。1999年初版と古めの小説ですが、ネットで推薦している人が何人かいたので読んでみました。

中盤まで派手な展開はないものの、警察内部の対立と捜査の様子は現実味がありますし、ある人物が新興宗教に興味を持つ過程も興味深いです。地味ではありますが、地に足のついたという表現が合う文章だと思います。内容も構成も、そして終盤明かされる驚くべき真相も質が高いと感じました。

しかし、面白いの?と問われたら、かなり困ります。つまらなくはないけれど、面白いとも言い難い。面白くなくもない。そんな感じです。質が低くなく盛り上がるシーンもあるのに、なぜなのでしょう。テーマが重いので爽快感がないせいか、読後感があまり良くないためか・・・・・・。読んでいるうちにトリックが半分くらい分かってしまったから、じゃないよね。

組織や家族など色々考えさせられる人間ドラマの面が強いので、そうした味のある推理小説をお望みの方にはお薦めできます。娯楽作品としては、うーん、笑いや心温まるものが読みたい人にはおそらく不向きです。



ちょっとだけネタばれ話↓

【ここからネタばれ】
では、あの仕掛けについて。
新興宗教にはまる某は、だいぶ最初の頃からあの人なのではと疑っていました。不特定の人に顔を知られている点が、怪しかったので。確信したのは、埼玉県警と警視庁の仲が悪いと言っていたところです。普通の人は知らないからね。彼の正体は当たっていたのですが、時間軸がずれていたことは分かりませんでした。なるほどね、納得。亡くなった娘は隠し子(私生子?)かと思っていました。

他の書評でも書かれていたのですが、新興宗教の某が娘が生きがいみたいな感じで書かれていますが、一年前の某ではそういったシーンがほとんど見られず違和感を感じます。どこかでもっと娘に対する愛情を強調していれば、もう少し説得力のある物語になったのになあ。

【ネタばれここまで】
スポンサーサイト
[ 2015/02/01 21:59 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://tonaku.blog51.fc2.com/tb.php/759-b51e0e4c