2015年01月16日(金)

全地球凍結 

全地球凍結 (集英社新書)全地球凍結 (集英社新書)
著者:川上 紳一
出版社:集英社
出版日:2003/09

評価〔C-〕 数億年前に何が起きたのか?
キーワード:地質学、地球科学、先カンブリア時代、

すなわち、長い間謎とされた氷河堆積物とそれを覆う縞状炭酸塩岩の奇妙な組み合わせは、「全球凍結仮説」では合理的に説明がつけられるのです。(本文より抜粋)


かつて氷河期と呼ばれる時代があり、一部の地域が氷に閉ざされていたことは多くの人が知っています。では、氷が一部だけでなく地球全体をすっぽり覆ってしまう時代があったとしたら、どう思いますか? 大陸移動説(プレートテクトニクス)に匹敵するかもしれない大胆な全球凍結仮説(スノーボール・アース仮説)について、専門家が詳しく解説しています。

著者もこの研究に携わっているようで、参加者ならではの報告を読むことができ、地質学・地球科学の最先端はこのようなことをしているのかと知ることができます。仮説の裏付けを取るために、世界各地で丹念に地層を調べていくのは非常に根気のいる作業で、こうした人々の努力によって学問が進歩していると思うと頭が下がります。それと、地層や化学分析なども写真やグラフを添えて丁寧に説明しています。グラフは分かりやすいですよね。また、仮説によっていくつかの謎に合理的な説明がつくので注目されていますが、対立する仮説の話も面白いです。

しかし、仮説をいかに実証するかに大部分が割かれていて、凍結した時に何が起きていたのか、凍結前後の生命の動きなどは少ししか書かれていません。どのような環境だったのかを詳しく知りたかったので、かなり残念でした。学者なのでまずは実証に力を入れるのは当然だと思いますが、新書なのでもう少し具体的に当時の様子が想像できるような記述も欲しかったです。

地質学・地球科学に興味を持っている人が読むには十分面白いと思います。


スポンサーサイト

[ 2015/01/16 20:21 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://tonaku.blog51.fc2.com/tb.php/752-3b2c3ce7