2014年09月18日(木)

夫婦格差社会 - 二極化する結婚のかたち 

夫婦格差社会 - 二極化する結婚のかたち (中公新書)夫婦格差社会 - 二極化する結婚のかたち (中公新書)
著者:橘木 俊詔
出版社:中央公論新社
出版日:2013/01/24

評価〔B+〕 格差を個人ではなく家族として考えます
キーワード:夫婦、結婚、格差社会、未婚、離婚、世帯

先回りして言うならば、日本社会の格差や貧困の問題において、妻が働くかどうかが大きな影響力を及ぼしつつあるからなのだ。(本文より抜粋)


近年、徐々に深刻になってきた経済的格差の問題を、夫婦を軸にして論じています。一人ひとりの収入も重要ではありますが、人は家族で暮らすことが多いので、その家族の核となる夫婦について詳しく調べてみようということです。夫婦と所得の関連性や、二人の職業や学歴などを考察しています。

どのデータを見ても、現実しかないと言った感じです。同程度の収入の人と結婚することが多い、収入の低い男性の結婚率は低い、などが豊富なデータによって、日本の結婚の傾向や格差が明確になっています。出身大学名にこだわる、高学歴でも専業主婦になる、などの特徴も興味深いですね。見合い結婚から恋愛結婚の世になったと言われていますが、経済力が未だ大きな影響力を持っているのは間違いないようです。読んでいくうちに、イメージしていた格差が実態と概ね合っていたと分かりました。

また、後半は未婚や離婚、都会と田舎の地域差ついて語っていて、前半をうまく補っています。現在、夫婦でない方にも役に立つのではないでしょうか。離婚によって貧困に陥る人も珍しくないようなので、今、離婚を考えている方にとっては現実を知る意味で読んでもらいたいですね。母子家庭の貧困率は父子家庭のそれより格段に高いので。

分析は優れているのですが、解決案は聞いたことのあるものが多く、目新しさはありませんでした。少々残念。なんらかの具体的な打開策が欲しかったです。とはいえ、現状の確認には良い一冊とでした。格差是正・少子化対策に携わる人々には、なにが問題なのかを知るために一読していただきたいですね。



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[ 2014/09/18 22:18 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

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