2014年06月23日(月)

時間はどこで生まれるのか 

時間はどこで生まれるのか (集英社新書)時間はどこで生まれるのか (集英社新書)
著者:橋元 淳一郎
出版社:集英社
出版日:2006/12

評価〔B+〕 哲学とは違った方向から考える。
キーワード:時間、物理学、ミクロ、マクロ、物理量

さて、温度はミクロの世界では存在しないものであるが、時間はどうであろうか?(第一章より抜粋)


時間とは何かを解明するのは、意識や心を説明するのと同じくらい至難だと思います。分かっているようで、説明しようとすると難しい。従来の時間論は、哲学者は哲学のみ、科学者は物理現象のみ考察したものばかりでしたが、本書は現代物理学を踏まえたうえで人間が普段感じている時間の流れについて解き明かそうと試みます。

絶対時間・絶対空間の枠を超え、相対論と量子論を取り入れています。物理量から始まりエントロピーまで説明するので、内容の半分以上は物理学の解説で占められています。長いですが知らないことが多々あって勉強になりました。特に、ミクロとマクロに分けて考えている点が興味深いです。某アニメで出てくる世界線という言葉が物理学にあることや、某ゲームで時間軸が傾くとあったのですがそれが現実にも起こることに驚きました。時空間が実数と虚数で表現できること、相対論による空間軸の傾き、ミクロ世界での因果律の崩壊も面白いです。

ただ、主旨だけ簡単に書いてあるにも関わらず内容が難しく、きちんと理解できなかったところもあり残念です。そういったところは他の物理の入門書を当たるのがよさそうです。ある程度物理を習ったことがある方なら大丈夫かもしれませんが、光子も時空間もエントロピーも何も知らない方は、読む前に相対論や量子論の易しめの入門書読むと理解の助けになりそうです。時間は哲学の領域だから、物理なんて知らなくてもいいと思っていると完読するのは難しそうです。

物理の説明に比べると、肝心の結論が短くあっさりと書かれています。斬新な答えを期待していただけに、やや物足りなさを感じましたが、納得できる部分もありました。題名にあるように、「どこで」に焦点を当てて書かれた本でした。



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[ 2014/06/23 21:26 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

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