2014年06月13日(金)

ロボットは涙を流すか 

ロボットは涙を流すか (PHPサイエンス・ワールド新書)ロボットは涙を流すか (PHPサイエンス・ワールド新書)
著者:石黒 浩、池谷 瑠絵 他
出版社:PHP研究所
出版日:2010/01/21

評価〔A〕 SF映画からロボットの未来を考えます。
キーワード:ロボット、SF、映画、アンドロイド、現代

ではその時、「人間」と認めるための要件とは何なのだろうか? 『スター・トレック』ではすでに、それが知性なのか、感情なのかといった一歩踏み込んだ議論が展開されている。(本文より抜粋)


人間そっくりのロボットを作り日々研究している科学者である著者が、SF映画を題材にして、最新のロボット技術および「人間とは何か」を探ります。著者の「ロボットとは何か」と同じような内容ですが、テーマを映画にし、文章は記者が担当したことで読みやすいです。

著者が精巧なロボットを作り人々の反応を見るのは、「人間とは何なのか」という哲学的な難問の答えを得るためだと一貫しているのが分かりやすくて良いです。ターミネーターを見てはロボットの構造・機能に注目し、サロゲートを見ては自分の研究の行く末をあれこれ想像し、映画を物語としてではなく現実または近未来として見て感想を書いています。面白いのですが、読みやすさ重視のためか、内容は「ロボットとは何か」より平易な印象を受けました。高度な内容は二の次のような。

5章では人間と同等と認められるための要素として、こころや感情を挙げていますが、この難問に対し自然科学ではなく社会学の面から考察しています。精神の存在を証明するのではなく、相手が認めるかどうか――チューリングテストの概念と似ていると感じました。工学やプログラムを研究している人が、ロボット作りにおいてコミュニケーション能力を重視しているのが興味深かったです。学問が繋がっているのが分かり面白いですね。

ときおり書かれている著者の独特な性格も楽しいです。怒るという感情がよく分かっていなかった、ロボットをおもちゃのハンマーで叩き続けたら学生に怒られた、など言動が新鮮です。さすが研究者といったところでしょうか。

本書では10作品のSF映画が例として挙げられていますが、見ていなくても楽しめます。僕がみたことあるのもターミネーターとスター・ウォーズくらいです。読んでいて映画が見たくなってしまいました。サロゲートは面白そう。映画の核心に触れる箇所も書かれているので、読みたい方はネタバレにだけ注意してください。


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[ 2014/06/13 22:06 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

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