2014年06月07日(土)

地球移動作戦 (上) 

地球移動作戦 (上) (ハヤカワ文庫JA)地球移動作戦 (上) (ハヤカワ文庫JA)
著者:山本 弘
出版社:早川書房
出版日:2011/05/05

評価〔B〕 異星人は出ないけどスケールは大きいです。
キーワード:SF、宇宙、未来

「地球からたった四〇万キロのところを通過する……?」(本文より抜粋)


かつて巨大隕石が地球に落下してくるハリウッド映画がありましたが、本書はあれを時間をかけてより現実味がある物語にしたものだと思います。目次の前に『妖星ゴラス』のスタッフの方々に捧げるとありますので、言わば山本弘版『ゴラス』です。

SFでおなじみ(?)のタキオンや反物質、未解明という設定のミラーマターを使って、宇宙での現象も科学的に考察されていて難しい印象を受けますが、そういうものだと割り切って読み進めると未来の世界を感じることができて面白いです。

危機を回避するための技術的な問題よりも、意見や利害の調整など政治的な問題に焦点が当てられていて、なんだか現代の温暖化問題や砂漠化問題を連想してしまいます。でも、こうしたことよりも、SFなのですから第一部のように宇宙での非日常をもっと見せてほしかったです。そちらのほうを期待していたので。第一部はそれだけでも短編として成り立つくらい、よくまとまっています。

軍事的な話にはならず、ネット動画を上手く取り上げたあたりに、オタク分野に明るい著者らしさを感じます。機械や兵器に偏ったSF映画を見慣れている人にとっては、目新しく日本的な近未来小説でしょう。

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[ 2014/06/07 22:43 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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