2014年05月05日(月)

スワロウテイル序章/人工処女受胎 

スワロウテイル序章/人工処女受胎 (ハヤカワ文庫JA)スワロウテイル序章/人工処女受胎 (ハヤカワ文庫JA)
著者:籘真 千歳
出版社:早川書房
出版日:2012/09/07
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評価〔A-〕 最終章に驚きがあって良かった。
キーワード:SF、未来、人工妖精、ヒューマノイド・ロボット

「五稜郭の創設を主導したのは、確か――」
『不言の一族だ。風気質の発見者、不言志津江の氏族だな』(本文より抜粋)


男女別の隔離自治区で生きる人と人工妖精の近未来SFの3作目です。前の2冊と違い、4編からなる連作中編集です。

時系列どおりではなく、今作は1巻よりも過去、揚羽の学園生活を描いた前日譚です。最初は全寮制の学校が舞台なので、和やかな学園ものの雰囲気が強かったのですが、物語が進むにつれこのシリーズらしい重く厳しい展開になります。心理学を絡めた会話やSFとしての設定も、毎度のことながら興味深く面白いです。複雑ですぐには理解しにくい説明もありますが、完全に分からなくても楽しむのには支障ありません。

桜花の特殊能力にも、彼女が口にした意識と自我についての話にも驚きましたが、最後に明かされる双子機の覚醒・半覚醒の秘密にはさらに衝撃を受けました。こうしたものを描けるのも、SFの魅力のひとつだと思います。

3作目にして挿絵が使われています。ライトノベル風な本シリーズですが、イラストの影響か良くも悪くもその傾向が強くなったような気がします。絵の力は大きい。

このシリーズは、読むたびにこの世界観や登場人物たちが気に入っていることを自覚させられます。次の4作目で終わり(?)または一区切りらしいので残念ですが、読むのが楽しみです。



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[ 2014/05/05 18:37 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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