2014年04月17日(木)

悪の教典 下 (文春文庫) 

悪の教典 下 (文春文庫)悪の教典 下 (文春文庫)
著者:貴志 祐介
出版社:文藝春秋
出版日:2012/08/03

評価〔B+〕 リセットのための大事件。
キーワード:学園、サスペンス、現代、教師、

どうやら、今日は厄日らしい。すでに事態は、中途半端な手段では取り繕いようがないところまできている。(第九章より抜粋)


次々と邪魔者を排除していく蓮実でしたが、彼に違和感を持つ者がいないわけではありませんでした。蓮実の裏の顔は暴かれることはないのか、それとも――――。

少しずつハスミンと生徒たちの探り合いが始まるのかと予想していたのですが、意外にも急展開で大事件が発生します。ジワリジワリとした不気味な恐怖がなくなり、大胆で大味な展開になります。上巻の雰囲気が気に入っていた人には、この方向転換が好きでない人がいるようですが、僕はこれはこれでエンターテイメント性があって悪くないと思います。頭が良いはずの彼にしては軽率に見える処理方法ですし、著者の今までの作品とは違って緻密さが見られないのは残念ですけどね。

やや雑かなーと思いながら結末を読んでいたら、最後のハスミンの言動に驚きが恐怖を感じました。戦慄。この小説に相応しい台詞です。それに対して、巻末にある「秘密」と「アクノキョウテン」は入れる必要があったのかなと思います。むしろ入れないほうが良かったのでは……。

「天使の囀り」や「クリムゾンの迷宮」のような怖さや緻密さはありませんでしたが、サイコパス、サイコキラーを描いた小説として、彼の異質さが印象に残りました。


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[ 2014/04/17 21:24 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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