2014年02月05日(水)

“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕 

“菜々子さん”の戯曲  Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)
著者:高木 敦史
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
出版日:2010/07/31

評価〔A-〕 真相とともに彼女の意図が重要。
キーワード:学園、サスペンス、推理、

「わたしは、あの事故は、事件だと思うの」(本文より抜粋)


過去のことと思っていた出来事を、意味ありげに話しだしたらどのような気持ちになるのでしょうか。何か自分の知らない事実があったのか、期待と不安が入り混じった複雑な心理状態になりそうです。

入院中の中学生・坪手は、同級生の“菜々子”さんに過去の事故は事件だったと明かされます。3年前の終わったはずの事故。なぜ彼女は今になって語りだしたのか?戸惑いながらも、彼は彼女の真意を推し量ろうと試みます。

菜々子さんの現状報告と、坪手の過去の回想と推理で物語は展開していきます。文章は語り手の性格のせいか淡々としていて、性格やクラスでの立ち位置、事故(事件)までの経緯は分かりやすいです。真相を暴くことはもちろん、彼女がなぜ彼に推理を披露したかが大きなポイントとなっています。伏線の張り方が良かったと思います。あぁあの会話はそこに繋がるのか、といった感じです。

今時のライトノベルとは違ったどこか不安になるような不可解な雰囲気が独特です。ほとんどの登場人物が子どもですが、子どもならではの打算や欲、人間関係などがなまなましく描写されています。年齢に似つかわしくない言動の人もいますけどね。登場人物たちの年齢を少しあげれば、一般書籍でも不思議ではないと思います。……いや、彼らの年齢をあげたら、もしかしたら本書の良さがなくなるかも。

推理物っぽいと思って読んだのですが、予想外の方向に良かったです。明るく笑える以外の作品もこうして出版されるのが、ライトノベルという分野の良いところ。続編があるようなので、そちらも読むつもりです。




菜々子さんの本名に関するネタばれ話↓

【ここからネタばれ】
劇中では明かされなかった菜々子さんの本名について、少しあれこれ考えてみました。

ヒントは、フルネームだと「日本語としていい加減な、あるいは独自性を出した言い回し」「ふざけて奇声をあげる男子のせい」。そして、「四文字目までくると候補はなくなる」、「街宣車、映画の宣伝車が偶然最初の五文字を言った」でしょうか。

事件直後に坪手が彼女に本名を言って、あの症候群になってしまったことを考慮すると、自分が原因で大怪我した人が言ったらショックな言葉、だと思うのですがどうでしょう? 例えば、「これはおまえのせい」のように。何か意味のある文になるのは難しいです。語尾が名前になるので最後が女の子の名前っぽくなればよいのですが、なかなかなりそうもありません。

ここで興味深い書評を見つけました。アマゾンの書評なのですが、本名が分かったようなことを書いている方がいて、それによるとヒントは「狡猾(コウカツ)」だそうです。それと、小5の時、アイウエオ順で坪手の隣なので、最初の文字は「つ」のあたり、広く見積もってカ行~ナ行あたりかなと。最初の文字が狡猾の「コ」なら条件に当てはまります。はじめは「コウカツ」なんでしょうか?

「こうかつだ、これ」「こうかつふくしゅう」「こうかつ、ずるい」「こうかつ、あなた」「こうかつ、おまえ、はんにん」……うーん、分かりません。もっともっと長いような気がします。誰か教えてください。


【ネタばれここまで】
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[ 2014/02/05 22:05 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

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