2013年12月22日(日)

韓国が漢字を復活できない理由 

韓国が漢字を復活できない理由(祥伝社新書282)韓国が漢字を復活できない理由(祥伝社新書282)
著者:豊田 有恒
出版:祥伝社
発行:2012/07/01

評価〔B+〕 利便性と自尊心のどちらが勝るのか。
キーワード:言語、漢字、民族、文化、国家主義

韓国も、もともとは、漢字国だった。日本以上に漢字を多用していた。(まえがきより抜粋)


外国で知り合った韓国人と中華街に食べに行った時、その人は漢字がまったく読めないと言いました。彼は1980年生まれくらいだと思いますが、簡単で有名そうな「中華」ですら知りませんでした。かつては韓国では、漢字は貴族や知識人の言葉だったとききます。なぜ韓国は漢字を学ばなくなったのか、どうして漢字の使用を止めつつあるのか。歴史・文化・国家主義の面から分析しています。

漢字の論争は、実用性よりも民族としての意識・プライドが重要であることが分かります。第2次世界大戦後の韓国の言語政策を追っていくと、効率や研究のためではなく自己主張や気分が前へ前へと出ていて、日常の一部となった漢字を執拗に隠したり追放しなくてもよいのでは?と感じました。占領期より前のことはあまり騒がれず、占領期の場合は熱がこもるのは、やはり儒教の影響でしょうか。「竹島の帰属の論拠と、著者が死ぬかどうかは」のくだりは悪いけど苦笑してしまいました。

ハングルがいかに有用有能であるかを説いても、個人的には言語に優劣はそれほどないと思います。どの言語も発音しづらいものもあれば語彙が乏しい分野があると思うからです。

また、韓国の漢字政策とは直接関係ありませんが、日本語と韓国語の関係や仮名混じり表記の利点について述べられているのもなかなか興味深いです。大和言葉に関する記述は、ほとんど知らなくて新鮮でした。

著者は言語学者ではありませんが、韓国の知識と韓国との交流は豊富なので説得力があります。韓国を理解する、または言語の歴史を理解する一助になる本でした。



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[ 2013/12/22 10:53 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

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