2013年10月27日(日)

ひきこもりはなぜ「治る」のか? 精神分析的アプローチ (ちくま文庫) 

ひきこもりはなぜ「治る」のか?: 精神分析的アプローチ (ちくま文庫)ひきこもりはなぜ「治る」のか?: 精神分析的アプローチ (ちくま文庫)
著者:斎藤 環
出版:筑摩書房
発行:2012/10/10

評価〔B+〕 精神分析から見たひきこもり。
キーワード:ひきこもり、精神分析、精神病理、臨床心理学、

ラカンの理論は、よく「欲望の科学」などと呼ばれます。ひきこもりにとっても欲望の問題は極めて重要で、ここでもラカン理論は大変参考になります。(本文より抜粋)


ひきこもりの治療は、どのような考えや理論があるのでしょうか。社会問題であるひきこもりを、社会学ではなく精神分析の視点から何が問題なのかを探っています。そして、臨床家として有名な著者が、彼ら彼女らをより深く理解するために精神病理を解説していきます。

名前だけ聞いたことがあるラカンや、名前すら聞いたことがなかった専門家たちの理論は、なかなか興味深いです。家族との会話の重要性、家族以外の他人との繋がりの価値が分かります。しかし、易しく書いてはいるのでしょうが、抽象的な概念のせいか難しいです。

具体策がまったく書かれていないわけではなく、後半には対応方針がのっています。上から目線や就労の促しは好ましくなく、まず信頼関係を作るために安心してひきこもれる環境作りを、とあってなるほどなぁと思いました。正論より共感と思いやりをという意見は、分かる気がします。

即効性のある手段だけ知りたい方には、著者の他の本を読んだほうが良さそうです。でも、こうした理論に基づいていると知れば、対象者の家族の誤解が減るでしょう。ひきこもり本人よりもその周囲の人向けの本でした。




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[ 2013/10/27 21:17 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

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