2013年09月07日(土)

星の舞台からみてる 

星の舞台からみてる (ハヤカワ文庫 JA キ 7-1) (ハヤカワ文庫JA)星の舞台からみてる (ハヤカワ文庫 JA キ 7-1) (ハヤカワ文庫JA)
著者:木本 雅彦
出版:早川書房
発行:2010/05/10

評価〔B+〕 ビジネスがらみのSF。
キーワード:SF、現代

僕は生きているよ。まだまだすることがあるし、贖罪しなければならないこともある。僕を、探してごらん。それが君の仕事だよ。(本文より抜粋)


遺書と書かれたテキストを開くと、バックグラウンドで死後見られなくないデータを消してくれるソフトがあるそうです。パソコンの中はプライベート情報の宝庫で、自分以外の人に見られたくないデータは誰しも大なり小なりあるのではないでしょうか。

本書の主人公・香南は、それに近いことを仕事にしていて、死後のネットワーク上にあるデータ資産の管理・整理をしています。データに関する葬儀屋のような感じでしょうか。彼女は、面識のない会員番号1番・野上の死後処理を担当することなり、そこで思いがけない出来事にあいます。裏表紙にはシステムエンジニアSFとありますが、中盤くらいまでは近未来お仕事小説みたくなっています。表紙はライトノベル風ですが、イメージしていたよりもずっと社会人として働いていました。

エージェントと呼ばれる使用人プログラムのようなものが出てきます。携帯電話の会話で色々教えてくれるプログラムの何段か上位のものだと思いますが、こうした未来で可能になるかもしれない新しいものをみれるのは、SFの面白いところです。実現したら生活が変わるかも。

終盤から一気にSF色が強くなるのですが、著者は博士号(理学)を持ちUNIXを操る専門家なので、コンピュータに関しては相当しっかりした内容です。おそらく。詳しすぎて、僕のようなちょっと知っている程度では現実味があるのかないのか判断つきませんし、分からない箇所も多々ありました。著者は注意していると思うのですが、一般人と知識・技術の差が大きいです。コンピュータやネットが苦手な人には読むのが大変そう。劇中ある人物が行うソーシャルハッキング、ソーシャルエンジニアリングにはなんか感心してしまいました。システムを過信してはいけません。

もうひと押し何かほしい気もしました。終盤の展開が急だったのですが、事件の真相や結末は良かったと思いますし読後感も良かったです。


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[ 2013/09/07 21:44 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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