2013年08月18日(日)

タブーの正体!: マスコミが「あのこと」に触れない理由 

タブーの正体!: マスコミが「あのこと」に触れない理由 (ちくま新書)タブーの正体!: マスコミが「あのこと」に触れない理由 (ちくま新書)
著者:川端 幹人
出版:筑摩書房
発行:2012/01/05

評価〔A〕 メディアの持つ数々の弱点
キーワード:報道、メディア、タブー

メディアといってもこの国の場合はほとんどが営利企業であり、自社に経済的損失を与えるような報道、表現はできるだけ回避しようとする。そして、自主規制を繰り返しているうちに、特定の企業や団体、個人が批判の許されない存在になっていく。(本文より抜粋)


非政府組織の国境なき記者団が公表している「世界の報道の自由度ランキング」によると、2013年の日本の順位は53位だそうです。今年に限らず毎年結構低かったと思います。はじめて見たときは、何が理由で低いのかよく分かりませんでした。しかし、本書を読み進めていくうちに、その理由がわかってきました。かつて他社が避けるタブーを書き、現在は廃刊した『噂の真相』の元副編集長が、マスメディアのタブーの実態と原因に迫ります。

タブーの原因を暴力、権力、経済の3つに分け、その歴史と現状を書いているのですが、思っていた以上にタブーが存在して驚きました。業務に支障をきたすほどの電話でのクレームや直接的な暴力に訴える団体、未だにあるのかと思った公的権力による圧力や嫌がらせ、そしてお金の力で脅しそして懐柔する企業と、読んでいるとだんだん暗くなってしまいます。広告主の都合の悪い点は書けないのは予想していましたが、それを差し引いてもタブーが多いと感じました。報道の自由はどこにいってしまったのかと思うくらいです。話題に取り上げられない事が増えたために、ひとたび問題なく発言できる事件が起きた時にはメディアが群がってしまうのは、納得したくありませんが分かります。

著者はただ単にメディア関係者を叩くのではなく、自分も弱いところがあるのを認めたうえで、増長していくタブーをどのように食い止めるのか、報道の自由を守るのかを示している点に好感が持てます。業界の将来を憂えているのは、分野は違えど以前読んだ『「社会調査」のウソ』と同じです。メディアが社会のためになる有益な報道ができるように、視聴者・読者として何ができるのかを考える必要がありそうです。希望となりそうなネットでの暴露も、現実社会でメディアなり公的機関なりが動いたりしない限り、なかったことになってしまうそうですから。

マスメディア関係者は是非読んでほしいです。仮にも報道の自由を主張するならば、皆が知るべき事実をきちんと正確に伝えられるよう努めてもらいたいですね。ここまで書いた著者の勇気は本当にすごいです。ジャーナリズムに頭が下がりました。



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[ 2013/08/18 09:20 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

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