評価〔B+〕 凶魔の知略キーワード:ファンタジー、ミステリー、
「残された時間はあと二日だ。それまでにぼくを倒せなければ、まずいことになる。とてもまずいことになる」(本文より抜粋)
新たなる7人目の勇者・ロロニアが現れたが、誰が偽物だか分からないまま魔神を倒す旅を始めることになった勇者たち。そして、凶魔の統領の一体であるテグネウが勇者たちを倒すために動きだします。
前回は凶魔の存在感がまったくといっていいほどありませんでしたが、今回は大物のテグネウが自ら動くので、だいぶファンタジー世界らしくなります。7人目が誰なのかも興味を引きますが、主人公たちがデグネウの策略や謎に苦戦するのが見どころです。強い弱いがメインになりがちな剣と魔法の世界で、謎解きがメインになる本シリーズは新鮮に感じます。
冒頭で衝撃的な場面がありますが、あのクライマックスの一部を見せてから時間を戻して物語を見せる手法は、今回は良くなかったと思います。誰がどのような行動を取るのか、物語の大切なところが分かってしまうので、どうなるのか分からないワクワクするような期待感が半減してしまった気がします。
それでも1巻とは違った面白さがあってよかったです。次はどんな謎や謎解きを見せてくれるのか楽しみですね。