2013年07月12日(金)

方舟さくら丸 (新潮文庫) 

方舟さくら丸 (新潮文庫)方舟さくら丸 (新潮文庫)
著者:安部 公房
出版社:新潮社
出版日:1990/10/29

評価〔C+〕 もし核シェルターがあったら
キーワード:SF、現代、核シェルター、

「とんでもない、生きのびるための切符です。開けて見てください」(本文より抜粋)


最近は核シェルターという言葉を聞かなくなりました。子供のころは核兵器や核シェルターなんて単語を、今よりは見たり聞いたりしていたような気がします。本書は、世界の危機に備えて一人で巨大な核シェルターを用意した、ある男性の物語です。彼は自分の施設を方舟と呼び、一緒に生きのびる人間を探しているところから始まります。

資産家でもない人が場所を確保し、資金調達や設備管理をほとんど個人でそろえるとなると、この話はかなり現実的だと思います。慎重に綿密に事を運んでいると思っている彼ですが、どうも子供の秘密基地のようなところが可笑しいです。また、用心深い主人公と関係者たちの人間関係も、目を引きます。ノアの方舟と違い、人を乗せるのですからすんなりいくはずがありません。そのあたりの期待や葛藤の心理描写が上手いと思います。

しかし、やや冗長に感じましたのが残念でした。全体的に悪くはないのですが、特に良かったり好きだったりするシーンはありませんでした。他の書評での評価が高いのを見ると、読解力がないのか好みの問題なのか。


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[ 2013/07/12 22:05 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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