2013年07月04日(木)

人口学への招待―少子・高齢化はどこまで解明されたか 

人口学への招待―少子・高齢化はどこまで解明されたか (中公新書)人口学への招待―少子・高齢化はどこまで解明されたか (中公新書)
著者:河野 稠果
出版:中央公論新社
発行:2007/08

評価〔B+〕 難しめだけどためになります。
キーワード:人口、人口学、社会学、統計、出生率、少子化、

新聞、テレビなどのメディアで、その数値が「当たらない」と批判を受ける将来の人口予測だが、経済や社会予測と比較すればはるかに正確である。(はじめにより抜粋)


21世紀に入ってから少子化や高齢化でますます将来が懸念され、人口もついに減り始めました。遠い未来に日本人はいなくなる、なんて予測を出した人もいるようで、これはさすがに行き過ぎだとは思いますが、いろいろと今後が気になる方も多いのではないでしょうか。本書はそれらの問題の大本である人口について考える、人口学の入門書です。人口学は聞きなれない言葉ですが、アメリカにおいては社会学の中でも最も威信の高いものの一つであるとか。簡単に言うと人口の増減を分析し、将来の人口や、年齢別の人口分布である人口構成を予測します。

平均寿命や出生率などよく耳にする言葉はもちろん、同年に生まれた人口集団を指す「コーホート」や、人口増減の惰性である「モメンタム」などの専門用語も解説しています。時間の経過とともに人口構成がある状態に近づいていく「安定人口」の話が興味深いです。また、各国では人口に対する様々な問題をかかえていますが、本書の後半は日本での出生率の低下に重点を置いて論じています。晩婚化と未婚率の上昇、避妊方法、男女の意識の変化など興味深いです。

現代の日本でも、乳児の死亡率が40から50歳の死亡率と同じくらいなのが驚きました。育って当たり前みたいな雰囲気がありますが、昔は育てることが本当に難しかったのでしょう。それと、終章で、家庭政策強化によって合計特殊出生率をかなり引き上げることができるかもしれないとあり、希望が持てます。

前半は学術的ですが、後半は身近な話題でありだいぶ読みやすかったです。著者はもっと書きたいことがあったと記述していますが、本書の内容でも素人では量・質ともに手に余りそうだと感じました。内容は濃いですが、そのぶん入門書にしては難しめかな。



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[ 2013/07/04 22:00 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

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