2013年06月04日(火)

日本人はなぜ無宗教なのか 

日本人はなぜ無宗教なのか (ちくま新書)日本人はなぜ無宗教なのか (ちくま新書)
著者:阿満 利麿
出版:筑摩書房
発行:1996/10

評価〔B+〕 日本人はむしろ宗教心豊か。
キーワード:宗教、日本人、仏教、神道、キリスト教、

我々が容易に「無宗教」を口にする原因の一つに、風俗や習慣となってしまった宗教は「宗教」ではないという思いこみがあるようだ。(本文より抜粋)


日本人の半数以上が「自分は無宗教」と公言しているそうです。日本人は本当に無宗教または無神論者なのでしょうか。また、外国人には奇妙に感じられるこの状況は、いったいいつどのようにして形成されたのか。宗教思想史の専門家である著者が、歴史を振り返り原因を究明します。

ぼんやりした宗教観を、歴史と民俗学と共に分析・考察していて興味深いです。分かりやすく説明していますが、様々な要因が絡んでいてややこしいです。でも、神仏の信仰が篤かった中世から、なぜこうも変わってしまったのかが理解できて面白いです。

日本人の民族性、和を大切にしたり日常・平凡を好むところが宗教観に影響しているのは、ある程度予想していましたが、歴史の流れ、政治の影響も強く受けていることに驚きました。明治維新と新政府の方針・政策が興味深く、キリスト教禁止が幕府から受け継いだ唯一の政策だったとは知りませんでした。信仰の内と外、習慣となってしまった宗教のあたりも面白いです。

柳田国男の研究を参照する回数が多いです。民俗学がこうした宗教・思想の分野の研究に役立つとは思いませんでした。自然科学に限らず、複数の分野を研究しないとある分野の研究が進展しないことがあるのですね。勉強になりました。

巻末の引用文献を見ても、多くの資料をあたり客観性と広い視野を心がけていることが分かります。初詣、お盆、クリスマスとごちゃまぜのイベントに疑問を抱いたら、本書を読んでみるのも良いと思います。



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[ 2013/06/04 22:39 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

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