2013年05月25日(土)

99%の誘拐 (講談社文庫) 

99%の誘拐 (講談社文庫)99%の誘拐 (講談社文庫)
著者:岡嶋 二人
出版:講談社
発行:2004/06/15

評価〔B+〕 大掛かりな誘拐の行く先は。
キーワード:推理、現代

――申し上げました。私は葛原兼介を誘拐するために作られたコンピュータ・プログラムです。(本文より抜粋)


会社の未来がかかった大金を差し出すことになった12年前の誘拐事件と、社長宅に大金を要求してきた新たな誘拐事件。過去のものと似ている今回の犯行は、果たして関係はあるのでしょうか。第十回吉川英治文学新人賞受賞作。この文庫がすごい!2005年版第1位。「クラインの壷」「そして扉が閉ざされた」とともに、3部作の1つとなっています。

元となった単行本は1988年発行ですが、ネットが普及する前に書かれたとは思えないほど、数々のコンピュータ機器を使われていて驚きました。今でこそあって当然のノートパソコンが当然のごとく登場していて、当時としては先進的な機器に、読者の目はひきつけられたのではないでしょうか。全て綿密に計画され実行された事件は、今の時代に起きても不思議ではありません。また、秀逸なのは人質の捕らえ方です。ありそうでなかった手法だと思います。実にスマート。

犯人の指示であれこれ移動するのは現実味があると思いますが、本書ではそれが長いので少々冗長に感じられたのが残念だったかな。それと、事件後の説明があっさりし過ぎていて物足りなさを感じました。もう少し何か喋って欲しかったです。

誘拐劇は好みではないのですが、その事件の斬新さと臨場感ある描写は見事です。400ページ以上あって長いですが、読者を引き込む力は相当ありますよ。



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[ 2013/05/25 22:13 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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