2013年03月23日(土)

方丈記(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス) 

方丈記(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)方丈記(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
著者:武田 友宏
出版:角川学芸出版
発行:2007/06

評価〔B〕 千年近く前の無常観
キーワード:平安末期、随筆、古典、

長明の「無常観」は、けっして机の前に座って生まれたものではなく、実際の体験に基づいています。(本文より抜粋)


平安時代末期、源平の争いのころに都の郊外に庵をたて、一人で暮らしていた鴨長明が綴った随筆です。引き継ぐ地位も財力もあった彼は、親族との争いに破れ表舞台から退くことになります。様々な都市型災害を経験した上で、どのような無常観を持つようになったのか。その全文と現代語訳が収録されています。

思ったより短いので驚きました。Amazonのある書評によると400字の原稿用紙で24枚とか。有名な「行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」ではじまる本書は、全てこのような難しい哲学的なことが書かれているのだろうなと思っていたのですが、意外にも現実に起きた出来事の描写が多いです。そのため、どうしてこのような無常観を抱くに至ったかが理解しやすかったです。現代でも通じる価値観もあり、約千年の時を越えて語りかけてくる言葉の説得力に感心してしまいます。また、彼の晩年のように、自然に囲まれ一人優雅に暮らすのはどんな感じだろうかと、色々考えをめぐらせるのも興味深いですね。

現代語訳は分かりやすいです。古典の文法が苦手な僕でも関係なく、作品を楽しむことができます。しかし、時折訳者の意見が鼻につくのが残念です。「また長明の自画自賛が始まった。」、こういうのはよくないと思うんだけどなあ。

読後、著者と作品のイメージが親しみやすいものに変わりました。解説で好き嫌いが分かれそうですが、古典初心者には分かりやすくお薦めの本です。


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[ 2013/03/23 22:33 ] 随筆 | TB(0) | CM(0)

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