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2013年01月11日(金)

妄想ジョナさん。 

妄想ジョナさん。 (メディアワークス文庫)妄想ジョナさん。 (メディアワークス文庫)
著者:西村 悠
出版:アスキーメディアワークス
発行:2011/09/23

評価〔B+〕 かなり真面目な妄想のお話。
キーワード:妄想、友達、大学生、現代、青春、

よくよく見れば、それは確かに人間だった。いや正確には人間の形をした忌々しき僕の妄想である。(本文より抜粋)


妄想は何か(自分に都合の良いことを)心に思い描くイメージがあります。これらは空想や夢想で、現実とは違うことは本人がよく分かっています。では、この空想が本人にとって、現実とまったく区別がつかないものだとしたらどうでしょうか。本書の主人公の妄想は、どれもこれも五感にうったえる現実味がある存在です。彼は、自分の妄想と現実に存在するものの区別がつきません。そんな彼の大学生活を描いています。

大学二年生の彼は友人が一人だけ。もっと青春を謳歌したいと望む彼の前に、ジョナと名乗る女性が現れます。妄想から逃れ現状を打破すべく、彼女とともに行動を起こすという青春ものです。終盤、ジョナさんと語り合うシーンは非常に複雑な心情になりました。切ないような清々しいような最後が、また良いですね。

読んでいて、「統合失調症の人は幻覚や幻聴を見る」ということを思い出しました。自分だけが体感している妄想とはこんなに辛いものなのかと、主人公の彼に同情しました。実際に彼のような妄想に悩む人たちは、周囲の人の理解を得るのが難しく、やるせないだろうなあ。

展開自体は結構素直で、本書の見どころはやはり最後にあるのだと思います。意外性を考慮すると秀逸とは言えませんし、読む人を選ぶと思いますが、読後感は良かったです。


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[ 2013/01/11 22:54 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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