2012年12月03日(月)

幻獣ムベンベを追え(集英社文庫) 

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)
著者:高野 秀行
出版:集英社
発行:2003/01/17

評価〔A〕 生易しいもんじゃないぜ
キーワード:ムベンベ、未確認動物、探検部、アフリカ

「えーと、それでぼくたちは怪獣を探しに行こうと思ってます」(本文より抜粋)


題名にあるムベンベは、コンゴ奥地に住んでいると言われている未確認動物(UMA)です。正式名称はモケーレ・ムベンベといい、探検家たちの間ではネス湖のネッシーと並ぶほどの有名です。1980年代後半、早稲田大学探検部に所属していた著者はこのUMAに興味を持ち、実際にコンゴ共和国(旧コンゴ人民共和国)まで真相を
確かめに行ったノンフィクションです。

読んでいる間、ずっと「すげぇ、本当にやってる……」と思っていました。驚きと憧れと呆れと笑いが混じった感じでしょうか。

ムベンベのことが知りたくなったので、他人の話や報告書ではらちがあかないから現地に行く、と決める決断力と楽観性が凄いです。そして、すぐ仲間集めと情報収集を行い、学生である彼らが企業から協力をとりつけるその行動力も凄いです。もちろん、現地到着後も様々な苦労や予想外の困難にぶつかるのですが、自分達の力で乗り越えていきます。少し違うのですが、でも教育で教えるべき『生きる力』とかって、こういうことなんじゃないのかなーと思わずにはいられませんでした。かなり状況が芳しくなくても、「カワウソもうまい」なんて思えるなんて本当に楽観的でかないません。(笑)

また、普段テレビで見るアフリカとは違う一面が見えるのが面白いです。国が統治していても、村では村の論理が一番であることや、宗教に関する決まりは非常に重要であること、そしてジャングルでは何を狩り何を食べているのかなどなど。それと、野生の肉食獣を見た!なんてレベルではなく、現地の人がどのような生活をしているのかも分かります。探検隊も同じものを食べて同じところで寝泊りしているのですから。いや、凄いよ。とても学生がやることとは思えません。

解説で「この人たち、めちゃくちゃだ!」と評されるのもうなずけます。巻末には隊員たちの簡単な感想があります。本書、文庫版あとがきには、隊員たちの探検から14年後が書かれていて、なかなか興味深いです。冒険心と子供心溢れるノンフィクションでした。



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[ 2012/12/03 21:54 ] 随筆 | TB(0) | CM(0)

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