2008年10月16日(木)

”文学少女”と飢え渇く幽霊 

”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)
著者:野村 美月
出版:エンターブレイン
発行:2006/08/30

評価〔A〕 ラストに近づくほど丹念に読んでしまう
キーワード:学校、ミステリー、本

「ふふ、そんなの無駄だわ。だってわたし、とっくに死んでるんですもの」(第1章より抜粋)


前作「死にたがりの道化」に続く文学少女シリーズ第2弾です。「道化」を読んだ後、いくつか書評を見てまわったら2作目の出来がかなり良さそうだったので、ついつい手が出てしまいました。ミステリー風の話は結構好きですし。

「道化」同様、しかし「道化」とは違った方向で重く複雑で悲しい物語です。話の種類としては前のほうが好きだったのですが、なんといいますか話の構成では本作のほうが良かったと感じました。人間関係が少々ややこしかったかな。各章に入れられている太字の独白は誰のものかわかったときは、良い意味で予想を裏切られ驚きました。なかなか事件の全貌が、全ての仕組みがわからないのが良い感じ。どことなく『スレイヤーズ』の構成と似ているような気がします。

遠子の本の説明シーンは相変わらず上手で、彼女がいかに本を愛しているかが分かります。重要なところでも、そうでないところでも、これがあるからこそやはり文学少女らしいのだとではないかと。語彙力豊かな彼女に説明されると、どの作品も読みたくなってくるから不思議です。

【ここからネタばれ】
まるっきり推理しないで読んでいたわりには、黒崎の正体がわかってもそれほど驚きませんでした。それより『嵐が丘』なぞらえた配役、特に事件における影の語り部ネリー役まで用意されていた点に感心してしまいました。ま、それは上にも少し書いたけどね。
【ネタばれここまで】

もう完結しているシリーズですが、ゆっくりのんびり読み進めていこうと思っています。



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[ 2008/10/16 22:33 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

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