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2012年10月20日(土)

それでもドキュメンタリーは嘘をつく (角川文庫) 

それでもドキュメンタリーは嘘をつく (角川文庫)それでもドキュメンタリーは嘘をつく (角川文庫)
著者:森 達也
出版:角川グループパブリッシング
発行:2008/09/25

評価〔B+〕 ドキュメンタリーは表現だ。
キーワード:ドキュメンタリー、マスメディア、映画、映像

ドキュメンタリーは徹底して一人称なのだ。(第4章より抜粋)


大人になってからドキュメンタリー番組を見るようになりました。日々のニュースとは違って一つの話題に時間をかけている分、じっくり見ることができるが好きです。ドキュメンタリーは客観的な視点で作られ、ニュースの拡大版もしくは特集のようなもの、と思っていましたが、本書を読むとどうやらそうでもないらしいのです。テレビのディレクターや映画監督としてドキュメンタリー作品を手がけ、オウム真理教のドキュメンタリー「A」を撮った著者が、体験や作品をもとに自論を述べています。

ドキュメンタリー映像は表現することで、完全なる公正や中立は不可能だと解いています。確かに、何をとりたいのか、何をどう伝えるのか、と考えていくと主観的にならざるを得ません。人が作るものなので、客観的にしようとしても監督の考えが作品に影響してしまうのでしょう。

また、事実のみ伝えると思われていたドキュメンタリーに、表現するための作為が存在することがあることを知りました。ドキュメンタリーでも取り直しや役者を使うなんて知りませんでした。

タイトルの「嘘」とは、上記の主観やこれらの作為を示しています。客観性が大切なのではなく、作り手の意図や主張、撮る側と撮られる側の関係がドキュメンタリー映画を作ると強調しています。対象への距離ではなく、距離を自覚することが重要とも述べています。

映画以外にもテレビの自主規制の実情も書かれていて、マスメディアの現状が分かります。よく整理された読みやすい読み物ではないと思いますが、これからこの世界で働こうと思う人や、現在働いている人には知っていて欲しい内容です。




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[ 2012/10/20 21:35 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

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