2012年10月17日(水)

小説家の作り方 (メディアワークス文庫) 

小説家の作り方 (メディアワークス文庫)小説家の作り方 (メディアワークス文庫)
著者:野崎 まど
出版:アスキーメディアワークス
発行:2011/03/25

評価〔B+〕 どう進んでいくのか分からないのが良い
キーワード:小説、現代、

「はい。物実先生。どうか私に、小説の書き方を教えていただけないでしょうか」(本文より抜粋)


少しは小説を読んできたつもりですが、“この世で一番面白い小説”はどのようなものか?と誰かに問われたら答えに窮します。本書の主人公・物実は新人作家ですが、彼も“この世で一番面白い小説”は想像できません。

ある日、彼は初めてもらったファンレターの差出人・紫から、“この世で一番面白い小説”のアイディアを思いついたと伝えられます。さらに、彼女は文章の素養がないため、彼に小説の書き方を教えて欲しいと頼みます。こうして始まった小説教室ですが、物語は思わぬ方向へと突き進んでいく……という展開です。

本ではなく本の作者に焦点を当てたのは、珍しく新鮮だと思います。近頃珍しくなくなった「漫画を描く漫画」のように、作り手側の心理状況が分かります。途中まではゆるやかに進み、思わぬ急展開があるのはこの著者の他作品と同じです。小説ではなく小説家。読み終わってからタイトルを見ると、また違った感想を抱くでしょう。

前から思っていたのですが、問題の人物・紫や終盤登場する在原と、個性的な女性を書くのが上手いです。対して男性はどうも同じような感じなのが、残念と言えば残念です。

一つ注意すべきことがあります。半分くらいまで読んで、あとがきを読んでおこうかなと後ろからページをめくっていたら、参考文献のページも見てしまいました。そこから、ぼんやりと先が見えてしまい、あぁ見なければ良かったと少々後悔しました。未読の方は前から順にめくっていくことをお勧めします。

どことなく[映]アムリタを思い出す小説でした。終盤のジャンル変更とも思える変化は好みでしたが、終わり方があまり好きではなかったのが残念です。でも、全体的に楽しめました。面白かったです。



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[ 2012/10/17 20:43 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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