2012年09月19日(水)

13階段 (講談社文庫) 

13階段 (講談社文庫)13階段 (講談社文庫)
著者:高野 和明
出版:講談社
発行:2004/08/10

評価〔A-〕 難しい制度について考える
キーワード:死刑制度、ミステリー、冤罪、刑務所、加害者と被害者

「死刑囚の冤罪を晴らすんだ。どうだ?俺と一緒にやってみる気はないか?」(本文より抜粋)


タイトルから連想するとおり、死刑を題材としたミステリーです。推理小説では犯人を暴いて、場合によっては法の裁きを受けさせるところで終わるものが多いのですが、本書は判決が下ってから刑が執行されるまでを描いています。

日本では罪を犯した人に与えられる最大の罰である死刑ですが、犯罪に関係なく暮らしている人々にはあまりピンとこない話題だと思います。時折執行されたことが新聞などで控えめに伝えられる、そんな印象があります。実態はどのようなものなのか、本書はその答えの一つにあると思います。

刑期を終えた三上は、刑務官の南郷から冤罪を晴らす調査に誘われます。冤罪をこうむりそうなその死刑囚は事件当時の記憶がなく、あるのは階段を見たという記憶のみ。死刑執行まで時間がないなか、二人は真相にたどり着けるのか?といったストーリーです。ミステリーの部分よりも、死刑にまつわる描写や情報のほうがずっと印象に残りました。例えば、冒頭のあのシーンはそういう仕組みになっていることは知っていましたが、物語として見ると非常に迫力があり圧倒されます。もちろん、ミステリーとしても楽しめます。途中ミスリードに見事にひっかかりましたしね。やられた。

本書は現実味のあるで単なる娯楽小説では終わりません。加害者と被害者、犯罪と刑罰、難しい問題ですが考えさせられます。刺激的で影響力がありそうな本です。




ネタばれは続きにて。

【ここからネタばれ】
三上が犯人だとばかり思っていました。血液型ばかりに気をとられていました。
それはそれとして、印鑑に偽造した三上の指紋ですが、採取した指紋から3Dデータを起こして、再び指紋をつけるって本当に可能なのでしょうか。なんかでこぼこのハッキリした、それこそ判子のような指紋になりそうなのですが……。できそうな、できなさそうな。でも著者はきっちり取材をして書いているようなので、おそらくできるんでしょうね。きっと。

【ネタばれここまで】
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[ 2012/09/19 21:39 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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