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2008年09月28日(日)

“文学少女”と死にたがりの道化 

“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)
著者:野村 美月
出版:エンターブレイン
発行:2006/04/28

評価〔B〕 軽さと重さのバランスの良さ
キーワード:学校、ミステリー、本

わたしは、この世のありとあらゆる物語や文学を食べてしまうほど深く激しく愛しているごくごく普通の可憐な高校生で、ただの文学少女です。(本文より抜粋)


ラノベで読んだことのない作者で評価の高いシリーズを何か読みたいと漠然と思っていて、どれにしようかな~と長らく迷っていたのですが、まずはこの文学少女シリーズの一巻を読んでみることにしました。裏表紙の解説にあるミステリアス学園コメディの言葉に惹かれたので。

平穏を愛する高校二年の文芸部員・井上心葉と、彼の先輩で同じく文芸部の文学少女・天野遠子。特筆すべき点は、遠子が文学を、つまり本を実際に食べて味わうことができるところ。文章や本が食べ物の味に例えられる様子は、なかなか面白いです。実在する本で未読の本だったりすると興味がわきますよ。また、彼女はその能力のために語り部である心葉に妖怪よばわりされますが、それ以外は普通の本好きの少女のようです。ラノベだと妖怪といわれたキャラは本当に妖怪であることもあるので、途中まで彼女が本当に人間かどうか疑心暗鬼のまま読んでいました。

ライトノベルは突拍子もない設定や個性の強すぎる人物が多いのですが、この作品は上記の点をのぞけばそうでもなく、それがかえってミステリーとして合っていて良かったのではと思っています。探偵ではなく、タイトルどおり文学少女なのです。

シリアスな話なのだけれど、読後は不思議とすごく重かったとは思いませんでした。心葉と遠子のやりとりが明るいせいか、重いほうに偏ってなくバランスがいいのかもね。文体のおかげかも。終盤、死にたがりの道化の告白はひきこまれます。

この本を読んでいると、遠子が強烈に推薦するためかこの物語の軸となっている作家の本を読みたくなってきます。全集はそれはそれは良いそうな。今度読んでみようかな。そして、この文学少女の続きも読むつもりです。



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[ 2008/09/28 23:46 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

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