2012年08月17日(金)

[映]アムリタ 

[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)
著者:野崎 まど
出版:アスキー・メディアワークス
発行:2009/12/16

評価〔B+〕 映画制作の青春ものとみせかけて……
キーワード:映画、大学、青春、ミステリ、

「私たちの作る映画は」
彼女は僕に向き直り、もう一度薄く微笑んだ。
「とても素敵なものになりますよ」
(本文より抜粋)


大学生の二見遭一は気になる同級生から声をかけられ、自主制作映画に出演することにします。その映画の監督は、天才と称される一学年下の女性・最原最早(さいはらもはや)。彼女の神のごとき作品は、彼をひきつけると同時に戸惑いも与えます。ただの映画サークルものでは終わらない、大学を舞台にした青春ミステリです。

ミステリと書きましたが、ジャンルわけが難しい小説です。青春もののようであり、恋愛もののようでもあり、ミステリともサスペンスともホラーとも言えそうです。一見、物語は穏やかに進行していきますが、読者に何かありそうだと思わせる雰囲気が、ほどよい緊張感となっていて飽きることなく読めます。

以前読んだ「死なない生徒殺人事件」と構成が似ていて、最後に大きなタネ明かしが用意されています。アイディア優先で、膨大な知識や圧倒的な現実感で表現するタイプではありません。しかし、そのアイディアが面白いし、こうした展開は好きなので「死なない生徒~」ほどではないにしろ満足です。

ヒロインの最原の性格は好みが分かれそうですし、完成度がすごく高いという訳ではないのですが、興味深い小説でした。興味がわいた方は是非読んでいただいて、6章の「スタッフロール」読了後の感想を聞かせてほしいです。



ネタばれ、疑問点は続きにて↓

【ここからネタばれ】
さて、最原が明らかにした真アムリタですが、それは一体何だったのでしょうか。彼女が見せてから映画撮影に誘ったと言っているので、おそらく「月の海」の絵コンテ、つまり二日以上読み続けたあの絵コンテだと思います。それ以外ですと、実際にスタッフを集めて撮影を始めてしまいますから。
しかし、そう考えると、伏線だと思っていたバイト先での「そんな評価することあるんだ」発言は、伏線になっていませんよね。絵コンテ読む前ですし。彼について、もう少し伏線をはって欲しかったなあ。

また、同じ絵コンテを読んだ他のスタッフは、同じような影響がなかったのか気になります。実は、ほんの少しだけ違うものを見せたとか。うーん、謎です。まぁ細かいことはいいかな、楽しめたんですしね。

【ネタばれここまで】
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[ 2012/08/17 22:17 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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