2012年06月16日(土)

しあわせの理由 

しあわせの理由 (ハヤカワ文庫SF)しあわせの理由 (ハヤカワ文庫SF)
著者:グレッグ イーガン
出版:早川書房
発行:2003/07

評価〔B〕 アイデンティティーのSF短編集。
キーワード:外国SF、短編集、

それはぼくが意外と強い心をもっていたからでも、いつのまにか大人になっていたからでもない。自分の運命を悔やむことが、物理的に不可能だったのだ。(表題作より抜粋)


現代から遠い未来まで、様々な状況や出来事を描いたハードSF短編集です。

作中に登場する高度な科学技術はどれも専門的で、その設定はどのくらい現実的であるのか判断できませんが、いかにもSFといった感じです。しかし、その科学の部分は現実味を出すためであって、本当のテーマは哲学的なものばかりです。愛情、道徳観、宗教、幸福感……解説ではアイデンティティー(自我同一性)とされている概念。なので、読んだ後は、面白いや怖いではなく、何か考えてしまうような気持ちになります。

死の概念が変わってしまった世界を描くローカス賞受賞の「ボーダー・ガード」や、化学や技術と感情の繋がりを書いた表題作が気に入っています。妻が驚くべき方法で夫を救おうとする「適切な愛」は、少し先の未来に本当に起こりそう。「道徳的ウイルス学者」のユーモアもなかなか。

けれど、解説にもありますが、粗筋は設定ほど斬新でなければ興味深いものではありませんでした。発想は面白いのに、なんか勿体無いと思いました。魅力あるストーリー性や人物は期待しないほうが良いかもしれません。

海外のハードSFはなんだか難しそうなイメージがありますが、この本はまさにそのイメージにぴったりでした。きちんと理解できているのか怪しいです。いかにもありそうな世界で、人の持つ本質を垣間見たような気分になりました。面白さを十分に堪能しきれていないかもしれないので、後でまたじっくり読んでみたいです。





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[ 2012/06/16 20:41 ] 小説 | TB(1) | CM(0)

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しあわせの理由 (ハヤカワ文庫SF)著者:グレッグ イーガン出版:早川書房発行:2003/07評価〔B〕 アイデンティティーのSF短編集。キーワード:外国SF、短編集、それはぼくが意外と強い心をもっていたからでも、いつのまにか大人になっていたからでもない。自分の運命を...
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