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2008年01月16日(水)

数学にときめく 

数学にときめく―あの日の授業に戻れたら (ブルーバックス)数学にときめく―あの日の授業に戻れたら (ブルーバックス)
著者:新井紀子
編集:ムギ畑
出版:講談社
発行:2002/06

評価〔B〕 数学の面白さの原点がここに
キーワード:数学・知的好奇心・クイズ

この本を通して、あなたがあなたの方法で数学と仲直りができることを、あるいは、数学との新しいおつきあいが始まることを心から願っております。(プロローグより抜粋)


働くお母さんと数学。この2つの言葉が結びつくとは、正直言って思ってもいませんでした。それらがネット上の会話を通して違和感なく、そして楽しさを持って繋がるなんて驚きです。

この本は、数学が苦手そうなどこにでもいる働くお母さん達と、数学がマラソン大会より嫌いだった数学者とのネット上でのやりとりをまとめたものです。まず数学者の先生がクイズのようにして問題を出し、それをお母さん達があれこれ意見を出し合いながら解くというスタイルです。

例えば、あみだくじではどうして出発するところが違うと、出口も違うのでしょう?という問題の「あみだくじの謎」や、日本人の3パーセントが佐藤という名字だそうですが、娘の34人のクラスには佐藤さんは1人もいません、珍しいですねと言われたのですが、どこかおかしい気がするのは私だけ?と疑問をなげかけた「佐藤さんのいないクラス」など。こんな感じの、微分や解の公式を知っていても解けないけれど、ちょっと物の見かたを変えると解けるような一筋縄ではいかない問題ばかりです。個人的に「無限の長さを持つ曲線」がお気に入り。

お母さん達は知恵を出し合い、普段の生活から解き方のヒントを得て、先生も思いもしなかった方法で問題を解いていきます。その様子は、どう見ても数学のイメージからくる孤独や苦悩とはほど遠く、逆に和気藹々とお喋りを楽しむようです。見知らぬ魚をどう味付けしたら美味しい料理になるのか、を話し合っているってイメージに近いかな。

学校で習う数学がつまらなかったり嫌われたりするのは、これ何に使うの?と思ってしまう公式の暗記や、解き方が1つしかないような計算問題が多かったからだと思います。お母さん達は、それとはまったく別の方法で再び数学に接してみた結果、学者にも勝るとも劣らない発想をし、会話から知恵を絞ることががでてきたのでは。先生がいう様に、日本のお母さんの底力はすごい。

数学という単語を聞くと、嫌そうな顔をする人がいます。中には即座に強い拒絶反応を示す人もいます。まるでお経を唱えられた悪霊のようにね。そのような人にも読んでもらいたい本です。
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[ 2008/01/16 20:34 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

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