2012年05月12日(土)

豊かさの条件 

豊かさの条件 (岩波新書)豊かさの条件 (岩波新書)
著者:暉峻 淑子
出版:岩波書店
発行:2003/05/20

評価〔C+〕 具体的な解決策が欲しいです。
キーワード:社会問題、現代、資本主義、NGO

いま人々の暮らしの中から、にじみ出てくる共通の不安は、「不安定な労働と生活」「老後や万一に対する生活保障」「教育と子供の未来」だろう。(はじめにより抜粋)


現代の日本社会は、労働環境や社会保障制度の問題で閉塞感が漂っています。経済が優先され、個人の生活はあまり重視されない状況で、人間らしく豊かに生きるにはどうすべきか、社会や政治はどうあるべきかを改めて問う本です。生活経済学が専門で、長くNGO活動に携わってきた著者が、データと実体験を元に社会問題を掘り下げていきます。

正社員と非正規社員の格差や画一的な学校教育の問題は、どのメディアも関心を寄せていて、まったく知らない人はあまりいないと思います。初版が2003年なので、その当時はまだ注目度が低く意義のあることだったかもしれませんが、今となっては情報の目新しさはありません。このあたりは仕方ないことです。学校については、ドイツの個性を重視した教育が紹介されていて、意欲や自主性がかけているように見える日本の学校には良さそうです。

NGOの活動や生活共同組合の歴史を通して、互助の精神を奨励しています。ユーゴスラビアでの活動やユーゴの子供たちとの触れ合いは素晴らしいし立派だと感じました。でも、その互助や共同が今の資本主義社会の構造を変革できるかと言えば、相当難しいと思います。心が同じ方向を向いている私的な慈善活動と、様々な価値観を持つ巨大な社会では差があります。果たしてその抽象的とも思える意見で変わるのでしょうか。実際、本書の発行から約9年経っていますが、改善されてきたとは思えません。

分析も目指す未来像も良いのですが、解決策が……。僕は自分で理想主義だと思っていますが、ドイツの幾つかの例以外は、本書の提案は現実的ではないように感じられました。残念です。




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[ 2012/05/12 21:57 ] 社会・歴史 | TB(1) | CM(0)

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まとめtyaiました【豊かさの条件】

豊かさの条件 (岩波新書)著者:暉峻 淑子出版:岩波書店発行:2003/05/20評価〔C+〕 具体的な解決策が欲しいです。キーワード:社会問題、現代、資本主義、NGOいま人々の暮らしの中から、にじみ出てくる共通の不安は、「不安定な労働と生活」「老後や万一に対する生活?...
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