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2012年04月20日(金)

ネットデフレ ~IT社会が生み出した負のスパイラル~ 

ネットデフレ ~IT社会が生み出した負のスパイラル~ (マイコミ新書)ネットデフレ ~IT社会が生み出した負のスパイラル~ (マイコミ新書)
著者:川北 潤
出版:毎日コミュニケーションズ
発行:2011/06/23

評価〔D+〕 宣伝広告のような本でした
キーワード:ネット、ECサイト、デフレ、コミュニケーション

なぜネット上の取引は、リアルと異なる進化を遂げているのでしょうか。私に言わせれば、ネットはリアルと異なる特別な取引方法を用いなければ成立しないほど、技術が未熟なのです。(本文より抜粋)


いつからデフレになったかは詳しく知りませんが、物が安くなったと感じるときがあります。特に電化製品の広告を見るとそう思うとともに、この値段で利益はでるのだろうか?と心配になってきます。ネットで価格比較サイトが現れた影響でしょうか。外国で安く製造しているからでしょうか。それとも、ネット自体の発達によるものなのでしょうか。その疑問があって、本書を手に取りました。

著者は、この価格下落はネットの構造の欠陥からくる悪性のデフレと説いています。接客が出来ない現在の電子商取引(EC)サイトは、自動販売機と同じで最終的に価格のみの勝負となるという意見は、とりあえず賛成です。しかし、それに続く現状打開策「ブラウザ通信チャネル」には、魅力を感じませんし画期的な道具だとは思えません。前半で既存の仕組みの欠点を挙げ、スカイプもテレビ電話と変わらないと批判したのにもかかわらず、示された解決方法がほんの少し手を加えた閲覧・通信方法だったので落胆してしまいました。あれで大きく世の中が変わるとは思えないのですが……。

さらに悪いことには、その打開策が著者の会社の商品であることです。話の流れから、まるで商品の広告・プレゼンテーションを受けているかのようでした。これでは自社の宣伝のための本だと見られても仕方ありません。新しい知識や面白いものを求めて新書を読んでいるので、なんだかがっかりです。

また些細なことですが、レガシーメディアやレガシー旅行会社と「既存の・従来の」の意味でレガシーを使っていて違和感を感じます。この言葉を常識と取るか専門用語と取るかは判断しづらいですが、横文字を控えて万人に分かりやすく書くのも、本を書く人には気をつけて欲しいです。

序盤は過去のデータを交えて、説得力があっただけに残念です。僕は著者の新商品にほとんど魅力を感じませんでしたが、実際のところこの新技術が普及し世界を変えるかどうかは、年月が経過してみないと分かりません。数年後そのとおりになったら、素直に自分の先見の明のなさを恥じ、改めて著者と本書を賞賛したいと思います。




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[ 2012/04/20 22:11 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

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