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2011年11月19日(土)

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫) 

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)
著者:歌野 晶午
出版:文藝春秋
発行:2007/05

評価〔A-〕 うまく騙されました
キーワード:推理、現代、探偵、ハードボイルド風

桜の花は本当に散ったのか?(約束より抜粋)


裏表紙には、「必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本です。」とあります。ここまで大言している本はそうはないと思います。ただ、帯には2004年度版このミステリーがすごい!第1位、第57回日本推理作家協会賞受賞、第4回本格ミステリ大賞受賞とあり、数々の栄誉に輝いているのでまんざら誇張でもありません。

内容はよくある探偵もので、自称・何でもやってやろう屋の成瀬将虎が、ある悪徳商法の調査を依頼されるところから始まります。調査の進展とともに、彼の探偵時代の事件、また別の話も同時進行で語られ、少し分かりづらいかもしれません。どの話も悪くはないのですが特に面白いと感じることもなく、このまま終わったら拍子抜けだなーと思い始めた頃に、ある真相が語られ、見事自分が騙されていたことに気がつき面食らいました。あんな仕掛けがあろうとは。思い込みや先入観をうまく利用していると思います。うーん、読んでいる際、少しだけ違和感を覚えたこともあっただけに、見抜けなかったことが悔やまれます。

最後の章で某2人が会話をするのですが、説得する側の考え方や価値観はハッとさせられます。いまいち登場人物たちに共感できず、話自体もそれほど面白く感じなかったのですが、あの説得シーンを読めたのは非常に良かったです。それにしても、四百ページを超える量は必要だったのでしょうか。長いです。

多くを語ると仕掛けがばれてしまいそうなので、これ以上は書きません。癖があるので好き嫌いがはっきり分かれそうですが、欺かれない自信のある方は是非挑戦してみて下さい。



ネタばれは続きにて↓


【ここからネタばれ】
本の題名が綺麗だから、あのシーンからはじまったのは吃驚しました。でも、あれは探偵時代の章と合わせて騙すための準備だったんだよね。あのトリックで秀逸なのは、愛子が自分の夫を「おじいさん」と呼んでいる点です。日本語の特色をうまく利用していて唸ってしまいます。

また、大仕掛けに隠れてしまっていますが、さくらが彼女の本名でなかったことにはだいぶ驚きました。疑いもしなかったので、やられた!と思いました。ヒントはきちんとあったのに。残念。

【ネタばれここまで】
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[ 2011/11/19 21:39 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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