2011年10月25日(火)

ファンダ・メンダ・マウス 

ファンダ・メンダ・マウス (このライトノベルがすごい!文庫)ファンダ・メンダ・マウス (このライトノベルがすごい!文庫)
著者:大間 九郎
出版:宝島社
発行:2010/09/10

評価〔A-〕 感情的で威勢の良い独特な文体
キーワード:現代、横浜、アクション、SF

くそったれたしみったれた愛すべき仕事、愛すべき日常、それをぶち壊す小さなケダモノがおれの元に転がり込んできた。

(本文より抜粋)


たまたま目にした著者の受賞者インタビューが強烈でした。応募の動機はお金、受賞後の周囲の反応は周囲に人がいないのでなし、読者の皆様にメッセージと言われて「学歴も、金も、地位も、名誉も、将来も何もない三十男が書いた窮鼠猫を噛む一撃を堪能していただければと思います。」と述べていて、この人の書いた本は一体どのようなものだったんだろう?と疑問と興味を持ちました。第1回『このライトノベルがすごい!』大賞の栗山千明賞受賞作。ちなみに、帯によると選考理由は「私好み」だからだそうな。

個性的な文体で、物語は主にマウスの一人称で進むのですが、感情まかせで柄も言葉も悪いけれど軽快で非常に勢いがあります。今まで読んだ中で似た人を挙げるとしたら舞城王太郎かな。裏表紙の紹介文を見れば、どのような雰囲気か分かります。癖があるので、好き嫌いが分かれそうですね。

顔が鼠に似ていることから自他ともにマウスと呼ぶ男性が、借りのある教師の娘・佐治まことが現れ、助けてほしいと懇願されます。少女のため、姉のため、日常のためにマウスが横浜を東奔西走します。ジャンルは強いて言えばSF風アクションでしょうか。暴力や血がよく出て粗野な感じなのですが、物語のテーマは愛情とシリアスです。どのキャラも信仰あるいは盲目とも思える感情を、他の登場人物にぶつけています。

あまりライトノベルらしくない作品だと思います。終盤が少し駆け足で不満な点もありましたが、とにかくその勢いに圧倒された一冊でした。



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[ 2011/10/25 18:46 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

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