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2011年10月12日(水)

笑う科学 イグ・ノーベル賞 

笑う科学 イグ・ノーベル賞 (PHPサイエンス・ワールド新書)笑う科学 イグ・ノーベル賞 (PHPサイエンス・ワールド新書)
著者:志村 幸雄
出版:PHP研究所
発行:2009/10/21

評価〔B+〕 科学の楽しさを示す賞。
キーワード:科学、イグノーベル賞、ユニーク、パロディ

受賞決定の第一報を聞いた受賞者たちは一様に「喜び」の表情を示す前に、「戸惑い」を隠さない。(第1章より抜粋)


今月10月にノーベル賞受賞の発表がありましたが、それに先立って今年のイグ・ノーベル賞受賞者が発表されました。「火災など緊急時に眠っている人を起こすのに、適切な空気中のわさびの濃度発見」したことで、滋賀医科大学の今井眞講師らが同「化学賞」を受賞し、日本人による受賞は5年連続となりました。一体どういった賞なのか、はてして名誉なのかそうでないのか、まだあまり有名でない同賞について紹介しています。

賞を創設した雑誌編集者エイブラハムズ氏によると、受賞基準は「人を笑わせ、そして考えさせる」研究とともに「真似ができない、またするべきでない」業績と謳っています。「落下するバタートーストの力学的分析」「ハトによるモネとピカソの作品の識別」「恋愛と強迫神経症は生化学的に区別できないことの発見」などが本書で挙げられていますが、他にも「なぜキツツキは頭痛がしないか」「名前をつけられた牛は、名無しの牛よりもたくさんの牛乳を出す」などユニークな研究が受賞しています。どうしてそれなんだ思う反面、深く考えるとすごい偉業になる可能性を秘めたものが多いです。本当に役に立つのだろうかと思ってしまうものもありますが。

また、名称からも分かるように、ノーベル賞のパロディとして、皮肉や独創性が受賞理由になることもあります。今年の平和賞を「違法駐車している高級車を装甲車で踏みつぶして問題解決できる」ことを示し受賞したリトアニアの市長さんが、まさにそれだと思います。

歴史と趣旨を解説した第1部はとても良かったのですが、研究紹介の第2部は、日本の受賞者のみを扱っていて偏っていたのが残念です。難しいでしょうが外国の研究者にも話を聞いて、その面白さを伝えて欲しかったです。また、10章の日本発の賞候補も、既に有名なものもあってかどこか納得できない選出でした。本の前半が良かっただけに惜しいです。

学生の理系離れが問題視されて久しいですが、科学や研究の面白さを教えるのはなかなか難しいことです。しかし、イグノーベル賞は権威ある偉大なノーベル賞に比べて、はるかに親しみやすくて分かりやすくて面白いです。専門家でも難しい研究よりも、身近な問題を扱っていて笑ってしまうけれど興味深い研究のほうが、生徒や学生の夢となりやすいのではないでしょうか。もっともっと知名度が増して、テレビやネットでもその楽しさが広まると良いですね。



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[ 2011/10/12 22:30 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

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