2011年09月10日(土)

タイタンの妖女 

タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫 SF 262)タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫 SF 262)
著者:カート・ヴォネガット・ジュニア
出版:早川書房
発行:1977/10

評価〔B〕 どこか心に引っかかるSF
キーワード:SF、サスペンス、宇宙、

「では、タイタンで会おう」と、そのにやにや笑いがいった。やがて、それも消えていった。(本文より抜粋)


大富豪のマカライ・コンスタントは、ラムファードの実体化現象の場へと招待を受けます。時間等曲率漏斗に飛び込み不可思議な存在となったラムファードは、コンスタントに予言を残します。予言は本当なのか、予言した意図は何なのか、そして彼の運命はどうなるのか。舞台は地球のみならず、ある星から別の星へと大きく移動、それに伴ってコンスタントの人生も大きく揺れ動いていきます。なんとも壮大なSFです。

移動するたびに話の雰囲気が大きく変わるので、まるで連作短編集を読んでいるような気分になります。物語もとらえどころがなく、不安定な展開のようでもあります。全体の筋書きよりも、特定の場面や人物の台詞といった局所的なところに目がいきます。世の中に対する皮肉や人生の理不尽さ、生きる喜びが表現されているのが、本書の魅力なのかもしれません。

どの星が好きか、どの人物・生命体が好きかは、かなり好みが分かれそうですが、僕は終盤になって登場するトラルファマドールから来たミロが気に入っています。ミロの持つメッセージの話も結構好きです。

著者は村上春樹に影響を与えたそうですが、確かにどことなく村上春樹の文章を感じさせてくれます。本来は逆なんですけど。テレビで爆笑問題の太田光氏が紹介していたのが、読むきっかけでした。新装版では彼のあとがきもついているので、字の小さい本書よりおすすめです。




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[ 2011/09/10 21:51 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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