2011年07月17日(日)

働かないアリに意義がある 

働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)
著者:長谷川 英祐
出版:メディアファクトリー
発行:2010/12/21

評価〔B+〕 アリの社会も人間社会と似ています。
キーワード:アリ、進化生物学、真社会性生物、

驚いたことにある瞬間、巣の中の7割ほどの働きアリが「何もしていない」ことが実証されました。これはアリの種類を問わず同様です。案外、アリは働き者ではなかったわけです。(第1章より抜粋)


生物学者の著者が、特殊な集団構成を持つ真社会性生物を、身近なアリを例にとって紹介している本です。アリと言えばミツバチと並んで働き者のイメージがありますが、彼らの中にはあまり働かないものもいます。その理由を分かりやすく、人間の社会と比較して説明しています。

序章にも一般の人向けとあるように、読みやすく書かれています。読むにあたって、遺伝の知識があると良いのですが、なくても図で解説してくれていて一目瞭然です。助かります。そして、読んでいるうちに混乱しないように、各章の終わりには要点がまとめられています。知識がきちんと整理されて良いですね。

司令塔のいない集団がうまくいく理由と、よく働くアリと働かないアリの違いをうまく説明した「反応閾値」は、なるほどと感心してしまいました。昆虫が発達した知能なしで、臨機応変に動いているように見える訳が分かります。また、他者に頼り真の怠け者であるフリーライダー、「ただ乗り」の存在は人間社会の問題点でもあるように思えます。アリの社会がここまで人の社会と似ているとは驚きです。社会学の専門家と共同研究すれば、人の社会の研究にもかなり役立ちそう。

遺伝のところがやや難しく感じましたが、個と集団の関係を面白く学べました。学生の頃は生物学に興味ありませんでしたが、こうした本を読むと結構面白いですね。




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[ 2011/07/17 21:09 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

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