2011年05月29日(日)

ペンギン・サマー 

ペンギン・サマー (一迅社文庫)ペンギン・サマー (一迅社文庫)
著者:六塚 光
出版:一迅社
発行:2009/04/20

評価〔B〕 地方の伝承とSFの融合
キーワード:伝承、伝説、SF

「隆司ー! クビナシ様捜索ツアーに行こうぜー!」(本文より抜粋)


高校生の東田隆司は幼馴染の相馬あかりから、伝説のクビナシ様探しにつきあって欲しいと頼まれます。クビナシ様とは街に古くからある伝承で、白首山の悪者を懲らしめた存在です。街で話題の秘密結社や埋蔵金伝説、はては喋るペンギンまで巻き込み、事態は大きく動き出します。

ジャンルとしては民俗学・伝承+SFでしょうか。ライトノベルで地方で語り継がれた伝承を主題にしたものは、珍しいですね。しかし、民俗学のような重々しさはなく、ラノベらしいコミカルな軽い感じで書かれています。文体も日記、音声メモ、書籍、演劇の台本調と様々です。これらが終盤で収束し、すべてが繋がります。数多くの伏線がありますが、はっきりとこうだと説明していないものもあり、読者として試されているような気もしてニクイですね。すぐ再読してしまいました。

構成や伏線は上手なのですが、登場人物やクライマックスの描写はあまり……といった感じです。ラノベ特有のキャラの濃さがなく、印象が薄いといいますか何といいますか。もう少し話を長くしても良いから、人物を個性豊かに書いて欲しかったです。

このタイトルはエンジンサマーなるSF小説が元ネタのようですね。そちらも気になってきたので、後で探してみようと思います。





自分メモ用、ネタばれ伏線回収は続き↓にて。


【ここからネタばれ】
それでは。

Q あかりは何故髪を染めたのか。
A 終盤の時間跳躍により過去に戻り、髪も白くなったから。


Q 白首山の奥地になぜ足跡があるのか。
A 赤面党たちが活動していたから。

Q なぜあかりは山の地理に明るいのか。
A 以前(終盤)に、登っていたから。銀の立方体(電池)を知っていたのもそのため。

Q 隣の駒入夫婦の正体とは。
A 赤面党の首領と博士。

Q 慶長の火山騒動の真相。 
A 博士が過去に送ったパイクロー爆弾が爆発した、と思います。

Q 水島仙冶が出くわした白髪鬼とは。
A 未来の自分。赤面党に改造され、過去に戻ったため白髪になった。
  晩年の父に似ているとあるが、親子だから似ている。

Q 博士の実験中に現れた侵入者とは。
A 水島。上記と同じ。

Q 伝承の白髪鬼の正体。
A 終盤、宇宙船ごと過去に飛んだ赤面党の2人。
  男は獣をしもべとし、女は雷を操ったとあるが、
  これは博士の改造獣と、首領の殺人光線。

Q クビナシ様の正体。
A 終盤、過去に飛ばされたグギギ。ペンギンは首がないように見える。
  名前を名乗れない→聞き取れない、時間跳躍のため全身真っ白と、
  グギギの特徴に一致する。
  はじめ、クビナシ様を頭が無いと勘違いして、正体が分かりません
  でした。はやとちり。

Q クビナシ様が村につれてきた娘たち。
A 宇宙船で冷凍睡眠中だった宇宙人、シャンブル星人。
  性別が不明なので、確実ではありませんが。空気が綺麗なら生きら
  れるとも言っているで、辻褄は合う。

Q クビナシ様の共の少年。
A 確信はありませんが、あかりかな?
  グギギと一緒に時間跳躍し、赤面党を懲らしめ、グギギは過去に
  居場所を見つけたけれど、あかりは現代に戻した。
  少年とありますが、これはあかりが山登りのために男の子っぽい
  格好をしていたから、と考えれば筋が通る。どうでしょう?


以上です。

【ネタばれここまで】
スポンサーサイト
[ 2011/05/29 10:27 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://tonaku.blog51.fc2.com/tb.php/267-fbeaf9a3