2011年05月11日(水)

運は数学にまかせなさい――確率・統計に学ぶ処世術 

運は数学にまかせなさい――確率・統計に学ぶ処世術 ((ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ))運は数学にまかせなさい――確率・統計に学ぶ処世術 ((ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ))
著者:ジェフリー S.ローゼンタール
出版:早川書房
発行:2010/07/10

評価〔B+〕 実学としての数学
キーワード:数学、確率・統計、ランダム、

これらのシナリオは多岐にわたるけれど、一つだけ共通点がある。どの場合にも、確率やランダム性、不確実性の法則を知ることによって、より良い決断をし、自分を取り巻く世界をもっと鮮明に理解できるようになるのだ。(第1章より抜粋)


カジノのギャンブル、例えばルーレットやブラックジャックは勝つ確率は五分五分のように見えます。どのようにしてカジノは安定して利益をあげているのでしょうか? また、政治家や製薬会社が説明のために挙げる統計データは、どのくらい信用できるものなのでしょうか? こうした日常で直面する確率・統計の問題を、難しい数式を極力使わずに説明しています。数学は実学とは程遠いイメージを持っている人もいますが、身近なちょっとしたことを例にあげて、確率を利用することにより状況を良くする術が多く語られています。

上記のギャンブルや統計データの他に、事故にあう確率や世論調査、不幸の手紙、スパムメール。既読の「社会調査のウソ」と似ていますが、こちらは広範囲で知っていたほうが役に立つことを教えてくれます。どの章の例も、知ってて良かった確率・統計!みたいな感じでちょっと笑ってしまいました。

「公表の誤り」は、正当に見える調査でも特定の意図を反映させることができるのが示されていて、興味深いですね。また、量子力学を用いた乱数生産法には驚かされました。物理を数学に使うとは凄いですね。14章の「モンティ・ホール問題」は知っていましたがやはり面白いです。直観で判断する危険性を説いています。

著者は数学者なのですが、統計学者でも滅多に起こらない事故を心配したり、滅多にかからない病気に脅えたりします。専門家といえど自分のこととなると冷静さを欠いてしまう姿は、親近感が持てるのではないでしょうか。そんな著者が一般の人向けに書いた本書は、確率・統計の良い入門書となるでしょう。「社会調査のウソ」と合わせて読むと、より効果的だと思います。




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[ 2011/05/11 22:26 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

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