2011年04月28日(木)

シフト1 世界はクリアを待っている 

シフト〈1〉世界はクリアを待っている (電撃文庫)シフト〈1〉世界はクリアを待っている (電撃文庫)
著者:うえお 久光
出版:アスキーメディアワークス
発行:2008/06/10

評価〔B+〕 まるでネットゲームのようだけど
キーワード:SF、現代、ファンタジー、青春

(――世界はクリアを待っている――) 自分だけではないらしい、ラケルも店長さんも、この世界に来る者みんなが耳にしているという言葉。
(第一話より抜粋)


一部の若者たちに、眠るとファンタジー世界へと送られる不可思議な現象が起きていました。原因は分からないままに、彼ら彼女らは戸惑いながらも現実世界と異世界の二重生活を送ることとなる、というお話です。著者は「紫色のクオリア」で有名なうえお久光。本書は、初めハードカバーで出版された後に、電撃文庫で文庫化された珍しい本です。

不特定多数の人間が異世界の人物になりきるのは、多人数同時参加型オンラインRPG(MMORPG)を連想させます。けれど、決定的に違うのは遊ぶのではなく生きていることです。五感はそのまましっかりあるし、人との会話も剣や魔法を駆使した戦闘も、ゲームのようにやり直しはききません。まさにファンタジー世界の住人となるのです。と、ここまででしたらファンタジーもので良いのですが、このラノベは起きているときは普通に学校生活を送っている点が異なります。夢の世界はあくまで別世界の話、しかし実際そこで生きているのも事実なのです。

主人公の赤松祐樹は、あちらの世界ではトカゲ男、リザードマンとして生活しています。いつも戦闘ばかりではなく、ひなたぼっこや恋愛など日常の部分も描かれていて、一層その世界が実在しているかのように思えてきます。出てくる人物も現実同様、様々です。自由な異世界のためか、キャラたちの個性が行動に強く表れ、興味深く面白いです。ファンタジーの要素よりも、心理描写の部分のほうが多い、かな? だから比較的個人的な話で進むのかと思いきや、途中で話が急展開して緊迫感が出てきたのは、意外で良かったです。意外といえば、第二話では『あの二人の仲がどこまで進んでしまうんだろう』と、少しドキドキしながら読んでました。

まだまだ未解決や謎の部分もありますが、この1巻だけでも十分楽しめます。「悪魔のミカタ」よりも「紫色のクオリア」やこちらのほうが好きだな。



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[ 2011/04/28 22:25 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

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