2011年03月27日(日)

竹取物語(全) (ビギナーズ・クラシックス) 

竹取物語(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)竹取物語(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
著者:角川書店
出版社:角川書店
出版日:2001/09

評価〔A-〕 改めて全部読むと、印象が違って面白いです。
キーワード:古典、物語、今昔物語集

ある日のこと、根もとが光っている竹を一本見つけた。中をのぞいてみると、背丈が十センチほどの女の子が、とてもかわいらしい姿ですわっている。(訳文より抜粋)


誰もが知っているであろう「かぐや姫」のお話。竹の中から生まれて、求婚者たちに5つの難題を出し、そして月に返っていくという物語の原本が、この竹取物語です。元となったのは今昔物語集にある話かと思っていたのですがそれは酷似したもので、竹取物語は別に存在しているそうで。本書はその全文が訳文と共に収録されています。

現代語訳・原文・解説の順で記述されているため、古文の知識がなくても楽しむことができます。学校で習ったことはほとんど覚えてないのですが、訳文を読んだ後に原文を読むと、文法に囚われることなく古文のリズム・韻律の良さを感じることができます。訳文自体も砕けた表現を使っていて、読みやすく分かりやすいです。論語のビギナーズ・クラシックスを読んだ時も思ったのですが、とにかく易しく書かれているのが嬉しいです。

記憶していた大まかなあらすじでは、恋愛を絡めたファンタジーといった印象でしたが、解説や時代背景などのコラムを読み進めるうちに段々イメージが変わっていきました。かぐや姫の口をかりた男性批判や権威主義批判は、当時の社会制度を批判する意味も持ち、唯の娯楽作品ではないことを教えてくれます。このあたりははじめにに書かれているように、一部分のつまみぐいでは見えてこない作品の真価でしょう。

著者はかぐや姫のことを冷酷で恐ろしい女だと評していますが、僕は少々我がままだけれど、自分の意見を持った人物だと思うけどな。いくつかある落語のようなオチも、好みは分かれるでしょうが、なかなか洒落ています。

紫式部が「物語のいではじめのおや」と高評価したのも頷けます。興味があるけれど全文通して読んだことがない方は、是非一度読んでみてください。色々な意味が込められていることに気がつくでしょう。




スポンサーサイト

[ 2011/03/27 21:47 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://tonaku.blog51.fc2.com/tb.php/246-cb688cfd