2011年02月06日(日)

たいした問題じゃないが―イギリス・コラム傑作選 

たいした問題じゃないが―イギリス・コラム傑作選 (岩波文庫)たいした問題じゃないが―イギリス・コラム傑作選 (岩波文庫)
著者:行方 昭夫
出版:岩波書店
発行:2009/04/16

評価〔B〕 エッセイの本場の作品たち
キーワード:エッセイ、コラム、イギリス、外国文学、近代、

ブラウン夫人が問題視する蛮族も、鼻からリングを外すのには同意しても、耳に下げるのは当惑して断るだろうと想像する。(趣味についてより抜粋)


二〇世紀初頭、イギリスで隆盛したエッセイ文学の選集です。代表的なガードナー、ルーカス、リンド、ミルンの作品が収録されています。読みながら「なんか今の新聞のコラム(例えば読売新聞の編集手帳など)のようなだな」と思っていたら、あとがきにそう書いてありました。本書のようなエッセイが元となっているらしいです。ちなみに題名にコラムとありますが、これはエッセイと同義であまり肩肘を張らずに読めます。

基本的に気軽に気楽に楽しめますが、それだけでなくイギリス流の皮肉と機知に富んでいます。直接言わない捻った物言いや、洒落た例えが持ち味です。そのあたりは前に読んだ「サキ短編集」を連想させます。こちらのほうが明るくクスッと笑えますけどね。ガードナーは分析・教訓、ルーカスは小説、リンドは皮肉・発想、ミルンは空想、のような印象を受けました。ガードナーとリンドが好みかな。

リンドの「冬に書かれた朝寝論」は、朝なかなか起きられないことに対して色々な弁明していますが、記事の最後に書かれた原書の英語タイトルを見ると、本人も分かっていて長々と書いていることが分かり面白いです。こういうのをユーモアと言うのだと感じました。

ギャグ漫画のように何も考えずに笑うのではなく、ちょっとだけ渋めの笑いです。ただ笑って楽しむだけでなく、物の見方や言い回し、発想の転換などに刺激を与えてくれます。100年近く前の作品群ですが、時の隔たりをあまり感じさせないエッセイです。



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[ 2011/02/06 17:25 ] 随筆 | TB(0) | CM(0)

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